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「…まずは、礼を言わねばな。
急なことでありながら、我らが騎士団長の治療をしてくれたこと。
心から感謝する」
「いいえ。お構いなく」
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「ところで
…君の名前は？」
…歴戦の貫禄を思わせる、深みのある声が響く。
普通なら、緊張で縮み上がるような場面だが
「シークと言います。
一応これでも、王都郊外では“藪医者”として仕事をしているんですよ」
彼からは、そんな様子は伺えない
「…歳は」
「22です」
「…その割にはだいぶ身長がひk」
「余 計 な お 世 話 で す 。」
どす黒く変わった笑みが「テメェこれ以上言ったらマジで容赦しねぇぞオラァ」と明らかに嫌悪感をあらわにする。
この身分階級の差を気にも留めない態度。
リョーフキーは一瞬ジェニトが怒るのではと心配したが
予想に反し、ジェニトは驚いた顔をした後
豪快に笑った。
「はははっ！！ いや、すまない。
てっきり17くらいかと思ったものでね。
だが22か…
それでも驚きだな。
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……………君のような“藪医者”が、ここまで高い技術を有していようとは」
……シークは苦笑する
「大袈裟ですよ」
「いいや。そんな事はない」
ジェニトはシークに向き直った
「俺は今まで、我が国の軍医を何人も見てきたが、
これほどまでに高い技術と、目の前の患者への厚情とを持ち合わせた者は初めてだ」
彼は微笑む。
「…………まぁ、今すぐ軍医になれ、なんて事は言わん。
無理矢理やらさせる仕事ほど、億劫なものは無いからな。
だが、軍医に興味があれば いつでも上に推薦してやろう。
本当にありがとう、シーク」
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その後、ジェニトは所用があると言い残して
悠然と部屋を立ち去った
後に残されたのは、リョーフキーとシーク。
それと気絶したアダムだけ。
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「なんか………いろいろ凄い人なんだな。
ジェニトさんって」
珍しく貴族階級の人間を褒めるシークに、リョーフキーは驚く。
「え？ちょっと、どういう風の吹きまわしだよ？」
「いや……なんか、察しが良いっていうかさ。
ほら、軍医にも無理に勧誘してこなかっただろ？
ああいう、他人を慮ることが出来る人は
本当に尊敬できるよな、って。
それだけのことだよ」
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無気力人間A(プロフ) - コメ失礼します！この小説、読んでて面白いし入り込めるのでとても好きです。文と文の間も狭すぎず広すぎずちょうどいいので見やすいです！まだ1しか読んでないので4まで読んだらまたコメさせていただきます！ (2019年11月18日 15時) (
レス) id: 59ffb7dac7 (このIDを非表示/違反報告)
ノズル - コメントありがとうございます！自分も今まで挑戦したことのない文体で、かなり困惑しながら書いている場面も多いので、面白いと思っていただけて幸いです…！ (2018年6月27日 7時) (レス) id: 4c1514854c (このIDを非表示/違反報告)
N;Re(プロフ) - なかなか無い形態で面白いです。更新応援しています。 (2018年6月26日 22時) (レス) id: 84a3c96542 (このIDを非表示/違反報告)
ノズル - コメントしてくれても…いいんですよ（定期） (2018年6月26日 20時) (レス) id: 4c1514854c (このIDを非表示/違反報告)
ノズル - レオンブルク聖帝国を聖王国に改変しました。 (2018年6月17日 12時) (レス) id: 4c1514854c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ノズル | 作成日時：2018年4月7日 9時
