隠しごと。 (ページ26)

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【風磨】

施設を出ていってからは、小さいアパートで一人暮らしをしてる。

北斗「昨日、俺らの部屋に新しい子が入ってきたんだ。」

風磨「へ～。高校で新入りか。珍しいね。」

俺は冷蔵庫にあった缶のコーラを北斗に渡す。

北斗「ありがとう。そうなんだよね。」

風磨「それで、どうしたの？」

北斗「俺、今日、電話で自分の過去のこととフラッシュバックのこと話したんだよね。」

風磨「そっか、話せたんだな。」

北斗「うん。」

風磨「お前も成長したな。最初は臆病で人見知りだったのに。」

北斗「それは今も変わらないよ。....風磨みたいに俺はずっとなりたかったんだ。」

風磨「俺、お前が思ってる以上に強くないよ？」

北斗「え？でもだって....。」

風磨「あれは強がってるだけに決まってるじゃん。北斗の前で弱いところ、見せたことだってあっただろ？」

北斗「あ....お母さんの時に....。」

風磨「そう。俺、あの時、母親に「もう一度一緒に暮らそう？」って言われてなんて答えればいいか分からなくて、俺、北斗の前で泣いたんだよ？そしたら北斗が、「風磨はお母さんとやり直したいならそれでいいし、お母さんのことを恨んでて憎んでるなら別に一緒に暮らさなくていいよ。」って言ってくれて。俺、あん時お前にすごい救われたんだよね。」

北斗「嘘....？そんなこと、初めて言われた。」

風磨「だろうな。お前にこんなこと、言わないもん。」

なんて、北斗と昔話をしてた。