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「この雪何処産?」「空産」 ページ1

「ゆ、雪だぁ―!!」
「俺初めて見るこんなに積もっている雪!」

ワイワイキャアキャア
元チームZの面々は初めて監獄の外で集まりとある公園で雪を堪能していた。
何故、集まれたかというと元チームZのメンバーがU―20との対戦会場に全員おり、そのメンバーでグループLINEをつくれたからだ。
全員集まれる日がたまたまでき、じゃあ元チームZで遊ぼう!という事になり集まった次第だ。

「くらえ!急カーブショット!!」
「ウワァ!何すんだよ蜂楽!!服濡れただろうが!!」
「うわ!南無三〜」
「だっあ!顔面に来たぁ〜」

あまり見ない雪に皆はしゃぎっぱなしだ。騒いでないのは秋田育ちの國神と慣れない寒さに震えている潔くらいだ。

はぁ、と息を手に吐きかけると白い煙と一緒に生暖かい空気が悴む手を暖めた。
その様子を隣で見ていた久遠が手袋を差し出して来た。少し躊躇ったが寒いのは事実なのでありがたく受け取る事にする。

「ありがとな、久遠」
「あと二組あるから平気だよ」
「すげぇ!でもなんで?」
「ははっ、この面子なら何人かは防寒を忘れてくるんだろうなって」
「確かに、現に久遠と伊右衛門と國神以外ジャンパーだけだもんな!」
「フフっ、本当に皆変わってないなぁ…」

少し悲しげに語る久遠に潔は何と声を掛ければいいのか分からず、口をつぐんだ。

「何辛気くさい顔してんだよ!デヤァッ!!」
『ブフッ!!』
「何すんだよ千切!」

それが開戦の合図となり、雪合戦が開始された。

「俺の速さは雪の上でも健在だぞ!」
「だぁ!お嬢速すぎ!!反則だろ!」
「突然雪玉がぁ!」
「俺の裏への飛び出しも健在ってね!」
「國神筋にくん!雪に慣れすぎぃ!!」
「何故か潔に当たらん!」
「シンプルに我牙丸強ェ!」
「南無三〜!!」
「うぜぇ!」
「雷市!石は詰めちゃだめだ!」
「蜂楽ぁ!!」

まさに混戦。
途中に物騒なのがいたが何だかんだ楽しくやった。汗をかいて頬を赤く染めて年相応に騒いだ。
騒いだ後は屋根のある広いベンチに皆で持ち寄ったお菓子を開けて座った。

「畜生ビスケット」
「久遠ママ〜!!我牙丸が怖いよ〜!」
「誰がママだ」
「逆張りでアイス」
「天才」

皆で思い思いお菓子を堪能していると一人参加していない事に気付いた。潔だ。

「潔〜?」
「ありゃ、これは疲れてるな」

こうなった潔はテコでも動かない。

「俺が持ち帰ろっと、」
『ちょっと待て』

蜂楽を全員で止め、潔をどうするか巡ってまた雪合戦で争った。

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作者名:今郷 | 作成日時:2023年3月26日 21時

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