No.96 : パパとママ ページ49
*
怒らせてしまった。
ちょっと聞きたいことがあっただけなのに。
学校がまた訊いてみようと思うけど、ちゃんと聞いてくれるかな？
「び、微妙だなー……」
短気な彼が叫び散らしながら怒る姿を想像した瞬間、今日１日分の疲れがドッと押し寄せた。
鉛を持ち運んでいるような体で目のつく赤色のドアを開ける。
「ただいまぁ……」
「｢おかえりー！｣」
優しい２つの声が重なって聞こえてきた。
パパとママだ。
ママはパパの座る車椅子をゆっくりと押しながらやって来る。
２人は優しい笑みを見た瞬間、なんだか安心した。
「晴陽お疲れ様！！ 本っ当によく頑張ったわね」
「全くだよ！ 父さんテレビの前で大声あげちゃったよ」
「本当よ？ もうパパったら最初から最後まで“晴陽ー！！ 晴陽ー！！”って興奮しっぱなしだったんだから」
「ちょっ……！ それは言わないでって言っただろ」
２人の会話から何となく状況が想像できた。
パパもママも大変だったんだね。
色々。
……とまぁ、その原因は私なんだけど。
私は苦笑いで返すしかなかった。
「さぁ！ ここで立ち話もあれだから、続きはご飯を食べながら話しましょ！ 晴陽の好きなものいっぱい作ったんだから！！」
「さぁ入って入って」とママに連れられ、家族３人で今日のことをお話しながら楽しくご飯を食べた。
＊
余談ではあるんだけど、私のママは元々新体操の選手だった。
話でしか聞いたことないけど、ママの動きはとても綺麗で妖精みたいだったってパパが言ってた。
けどある時、大技を披露しようとして大怪我を負っちゃったんだって。
そのせいで新体操を続けられなくなって引退。
じゃあ、どうしてパパは車椅子なのか？
実は知らない。
話したがらないから。
何度か聞いてみた事があるけど、その度にはぐらかされてるの。
ママに聞いても同じ。
１度も話そうとしてくれない。
けれど、話したくないことを無理に聞きたいとは思わないから、私の中で自己解決してる。
「知らない方がいい事なんだな」って。
＊
ご飯を食べてからお風呂に入った私はベッドに寝転んだ。
体が急に重くなった気がした。
瞼が落ちていく。
意識がどんどん遠くなる。
──おやすみなさい
そのまま暗闇へと落ちた。
【……To be continued】
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ネム(プロフ) - 50話の先制布告が先生布告になってますよ！ 頑張ってください！ (2018年1月26日 3時) (
レス) id: 26189ae388 (このIDを非表示/違反報告)
ぽしゃも。(プロフ) - シナチク@さん» 私の方こそお返事が遅れてしまい、申し訳ありません！ こちらこそ描いて下さって本当にありがとうございました！ 大切にします*(^o^)* (2017年1月8日 9時) (レス) id: 7443ae1f4f (このIDを非表示/違反報告)
シナチク@(プロフ) - 遅くなってすみません！イラスト載せて頂きありがとうございました！m(_ _)mドンっとイラストが目に入って来たのでビックリしました(笑)本当にありがとうございます！！今後とも仲良くしていただけると嬉しいです(´ω｀) (2017年1月5日 22時) (レス) id: 01ec13c248 (このIDを非表示/違反報告)
ぽしゃも。(プロフ) - 物部さん» 初めまして(^^) コメントありがとうございます。 久しぶりにコメントが来たのでとても嬉しいです。 お期待に添えるように精進していきたいと思います！！ (2016年12月29日 1時) (レス) id: 7443ae1f4f (このIDを非表示/違反報告)
物部(プロフ) - 初めまして。面白いです！続き期待しています(^○^) (2016年12月28日 23時) (レス) id: fcc84377d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ししゃも。 | 作成日時：2016年12月8日 22時
