No.88 : 拍子抜け ページ41
*
「緑谷くん……場外。 轟くん、３回戦進出！！」
主審、ミッドナイトさんの審判が下った。
爆風で吹き飛んだのか、緑谷くんは場外の壁にぶつかりズルズルと地面に引っ張られた。
場内には轟くんだけが立っている。
「緑谷の奴、煽っといてやられちまったよ……」
「策があったわけでもなく、ただ挑発しただけ？」
「轟に勝ちたかったのか負けたかったのか……」
「気迫は買う。 騎馬戦までは面白い奴だと思ったんだがなァ」
決着がついた。
いや、ついてしまった。
喜びと興奮が抑えられずに沸く歓声。
それに対して、プロヒーローさんからの評価はとても厳重で辛辣だった。
戦いの流れが緑谷くんに向いていただけに拍子抜けちゃった人が多いのだろう。
自らが作った大怪我で気を失った緑谷くんがロボットに救急搬送される。
轟くんはスタジアム整備の為にセメントスさんに場外へ誘導されていた。
白熱した戦いに幕が閉じ、見ていた皆の表情が曇って言葉に詰まっているようだった。
けれどそんな空気の中を梅雨ちゃんが切り出し席をたった。
「私、ちょっと緑谷ちゃんの様子見てくるわ」
階段の上の出入口に向かって歩き始める梅雨ちゃんに続き、「オ、オイラも……！」と峰田くんも一緒に階段を駆け上がる。
私も席を立った。
立ち上がった時に再びモモちゃんと目が合ったけど、すぐに目を逸らされ心がチクリとした。
緑谷くんを心配する気持ちは皆同じらしい。
途中で麗日さんと飯田くんと合流した。
「ここは私達に任せて、晴陽ちゃんはそろそろ準備していた方がいいんじゃないかしら」
「…あ、そうだった！」
完全に忘れてた。
梅雨ちゃんに言われて思い出す。
緑谷くんの事は皆に任せて皆と別れた。
最後に飯田くん達が「応援してるぞ！」「頑張ってね！」って言葉をかけてくれた。
皆がいるからきっと大丈夫。
私は急いで控え室に…………
「……あ」
向かわなかった。
「その前に……」
控え室とは逆に走る。
──まだいるといいな
そんな願掛けに近いことを思いながら。
スタジアムの方から歩いてくる人影が見えてホッとした。
けど、相手は気がついてないみたいで私の横を通り過ぎる。
「ま、待って！」
私はジャージの裾を掴んだ。
赤色と白色の髪が揺れる。
そしてつり目の青と黒の目と目が合った。
「お前は……」
呼吸を整え、その人の名前を呼ぶ。
「轟くん……待って」
轟くんは首を傾げた。
.
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ネム(プロフ) - 50話の先制布告が先生布告になってますよ！ 頑張ってください！ (2018年1月26日 3時) (
レス) id: 26189ae388 (このIDを非表示/違反報告)
ぽしゃも。(プロフ) - シナチク@さん» 私の方こそお返事が遅れてしまい、申し訳ありません！ こちらこそ描いて下さって本当にありがとうございました！ 大切にします*(^o^)* (2017年1月8日 9時) (レス) id: 7443ae1f4f (このIDを非表示/違反報告)
シナチク@(プロフ) - 遅くなってすみません！イラスト載せて頂きありがとうございました！m(_ _)mドンっとイラストが目に入って来たのでビックリしました(笑)本当にありがとうございます！！今後とも仲良くしていただけると嬉しいです(´ω｀) (2017年1月5日 22時) (レス) id: 01ec13c248 (このIDを非表示/違反報告)
ぽしゃも。(プロフ) - 物部さん» 初めまして(^^) コメントありがとうございます。 久しぶりにコメントが来たのでとても嬉しいです。 お期待に添えるように精進していきたいと思います！！ (2016年12月29日 1時) (レス) id: 7443ae1f4f (このIDを非表示/違反報告)
物部(プロフ) - 初めまして。面白いです！続き期待しています(^○^) (2016年12月28日 23時) (レス) id: fcc84377d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ししゃも。 | 作成日時：2016年12月8日 22時
