No.73 : 辞退 ページ26
*
最終種目は、進出４チーム総勢16名か毎で争う年恒例１対１のガチバトル。
今年はトーナメント形式。
組み合わせはくじ引きで決められ、組が決まったらレクリエーションを挟んでから最終種目を行う。
レクリエーションに関しては基本強制参加だが、進出者は参加不参加は自由に決めていいとの事。
「んじ、１位チームから順に……」
「あの……！ すみません」
遂に始まるんだと各々が気合いを入れている中、尾白くんが静かに手を挙げた。
次にとんでもないことを口にする。
「俺、辞退します」
信じられない驚きの一言は会場にいる選手全員を驚かせた。
「尾白くん！ 何で……！？」
「せっかくプロに見てもらえる場なのに！！」
「騎馬戦の記憶……終盤ギリギリまでほぼボンヤリとしかないんだ。 多分、奴の“個性”で……」
尾白くんが見つめる先には宣戦布告に来た普通科の人がいた。
目の周りの不気味な隈と人の目に止まる鮮やかな青色の髪。
彼の名前は確か心操くん。
「チャンスの場だってのはわかってる。 それをフイにするなんて愚かな事だってのも……！ でもさ──」
尾白くんは自分の握る拳を見つめて語り続ける。
「皆が力を出し合って争ってきた座なんだ。 こんな……こんなわけわかんないままそこに並ぶなんて……俺はできない」
周りは考えすぎだと声をかける。
けれど尾白くんのプライドが輝くスポットライトに当たることを拒んでいた。
自身のプライドと戦う尾白くんは目頭を抑える。
「あと、なんで君らチアの格好してるんだ……！」
「…………」
……いきなり虚しくなった。
「僕も同様の理由から棄権したい！ 実力如何以前に、何もしてない者が上がるのは、この体育祭の趣旨と相反するのではないだろうか！」
続き尾白くんと同じチームだったＢ組の人からも辞退したいという申し出。
会場が妙な空気に包まれた。
「そういう青臭い話はさァ……」
主審のミッドナイトさんが低い声で鞭を振ると……
「好、み！！！ 庄田、尾白の棄権を認めます！」
──好みで決めた……！！
こんな時まで好みで決めちゃうなんて雄英は本当に自由過ぎる。
そろそろ本当に疑ってもいいですか。
こうして、Ｂ組不敵な人こと鉄哲さんと、Ｂ組塩崎さんが空いた２人の枠を埋めた。
次は、くじ引きだ。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 152人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ネム(プロフ) - 50話の先制布告が先生布告になってますよ！ 頑張ってください！ (2018年1月26日 3時) (
レス) id: 26189ae388 (このIDを非表示/違反報告)
ぽしゃも。(プロフ) - シナチク@さん» 私の方こそお返事が遅れてしまい、申し訳ありません！ こちらこそ描いて下さって本当にありがとうございました！ 大切にします*(^o^)* (2017年1月8日 9時) (レス) id: 7443ae1f4f (このIDを非表示/違反報告)
シナチク@(プロフ) - 遅くなってすみません！イラスト載せて頂きありがとうございました！m(_ _)mドンっとイラストが目に入って来たのでビックリしました(笑)本当にありがとうございます！！今後とも仲良くしていただけると嬉しいです(´ω｀) (2017年1月5日 22時) (レス) id: 01ec13c248 (このIDを非表示/違反報告)
ぽしゃも。(プロフ) - 物部さん» 初めまして(^^) コメントありがとうございます。 久しぶりにコメントが来たのでとても嬉しいです。 お期待に添えるように精進していきたいと思います！！ (2016年12月29日 1時) (レス) id: 7443ae1f4f (このIDを非表示/違反報告)
物部(プロフ) - 初めまして。面白いです！続き期待しています(^○^) (2016年12月28日 23時) (レス) id: fcc84377d6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ししゃも。 | 作成日時：2016年12月8日 22時
