No.63 : 冷静 side K.B. ページ16
*
デクに負けた。
……は？
──意味わかんねぇ
俺の前を行くんじゃねえデク。
石ころは石ころらしく俺に蹴られてればいい。
──…………なんて
少し前の俺なら、そんな愚痴をこぼしながら彼奴を殴りに行っただろう。
予選が終わって間もなく。
俺はなぜか冷静だった。
「俺と組め！！」
「えー爆豪私と組も！？」
「僕でしょねえ？」
「…………」
１人で考え事をしてりゃ外野共がゾロゾロと。
第２種目の騎馬戦でチームを組めとわやわやしてやがる。
……つか。
「てめェらの“個性”知らねぇ。 何だ！？」
「Ｂ組ならまだしも！！ 周り見てねーんだな！！」
違ぇよ興味がねぇんだよザコ。
「おーい！！」
人混みの向こう側からクソ目立つ赤い髪が走ってきた。
「轟の奴ソッコーチーム決めやがったぜ！ 爆豪！！ 俺と組もう！！」
いきなり来たと思えば何言ってんだこいつ。
名前？
んなもん知らねぇ。
とりあえず。
「クソ髪」
「切島だよ覚えろ！！」
「おめーの頭とそんな変わんねーぞ！！」と声を張り上げるクソ髪。
てかこいつは一体何しに来たんだよ。
俺のイライラが徐々に溜まって限界にきた頃、こいつはベラベラ語り出す。
「おめェどうせ騎手やるだろ！？ そんなおめェの爆発に耐えられる前騎馬は誰だ！！？」
提案の次は質問かよ。
少し考えてから俺は答える。
「根性ある奴」
「違うけどそう！！ 硬化の俺さ！！」
違うのかあってんのかどっちだよ。
思わず突っ込んじまったじゃねーかよクソ。
結局こいつは何が言いてぇ。
こいつのせいでイライラがまた増えちまった。
けど、次の瞬間そのイライラが吹き飛んだ。
「奪るんだろ！？
何かがビリッと体を駆け巡った。
クソ髪は更に俺の前に詰め寄り、眉間に皺を寄せ闘志に満ちた赤い目で俺をみる。
そうだ。
俺ぁこんな所で止まってるわけにはいかねーよ。
『せんせー、俺が１位になる』
そうだ。
俺が1位になるんだ。
半分野郎もデクもぶっ殺して、俺は完璧な１位を手に入れる。
「面白ェ」
今の俺は、すこぶる冷静だ。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 152人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ネム(プロフ) - 50話の先制布告が先生布告になってますよ！ 頑張ってください！ (2018年1月26日 3時) (
レス) id: 26189ae388 (このIDを非表示/違反報告)
ぽしゃも。(プロフ) - シナチク@さん» 私の方こそお返事が遅れてしまい、申し訳ありません！ こちらこそ描いて下さって本当にありがとうございました！ 大切にします*(^o^)* (2017年1月8日 9時) (レス) id: 7443ae1f4f (このIDを非表示/違反報告)
シナチク@(プロフ) - 遅くなってすみません！イラスト載せて頂きありがとうございました！m(_ _)mドンっとイラストが目に入って来たのでビックリしました(笑)本当にありがとうございます！！今後とも仲良くしていただけると嬉しいです(´ω｀) (2017年1月5日 22時) (レス) id: 01ec13c248 (このIDを非表示/違反報告)
ぽしゃも。(プロフ) - 物部さん» 初めまして(^^) コメントありがとうございます。 久しぶりにコメントが来たのでとても嬉しいです。 お期待に添えるように精進していきたいと思います！！ (2016年12月29日 1時) (レス) id: 7443ae1f4f (このIDを非表示/違反報告)
物部(プロフ) - 初めまして。面白いです！続き期待しています(^○^) (2016年12月28日 23時) (レス) id: fcc84377d6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ししゃも。 | 作成日時：2016年12月8日 22時
