0:-) / Charlie ページ31
神は尊いものであり、悪魔は忌むべきものであり、そして私たちは神に一生足元を向けてはいけない。そんな考えは遺伝子に刻まれ、今でも私の血液に流れている。神に仕えることだけが人生の支柱だ。逆に言えば、私には支柱しかない。真っ白で正方形な部屋の真ん中に、一本白い柱が立っている。それだけ。家具も窓も扉もない。埃一つ落ちていない。これからも支柱だけの部屋が続く。
そう、思っていた。
＿＿＿
教会と悪魔の対立が過激化してきた。戦いを好まない私は、極力無視を心がけている。
森は静かだ。悪魔は森の持つ神聖な力に耐えられないので森に近寄ることもない。森を分け入り、陽だまりが注がれている開けた場所に向かう。すると、そこには珍しく先客がいた。その者は何やら動物と戯れている。
「──悪魔？！」
頭から生えている特徴的な角、黒々とした尻尾。紛れもなく悪魔だ。しかし、何故こんなところで？ 悪魔は私の声に気付いたのか振り向いた。
「あぁ、シスターさんか。大丈夫、僕は──って言うか、僕の一族は悪魔の中でも嫌われてるんだ。人間と必要以上に関わってきたからな」
目を凝らせば、その悪魔の体には生傷がいくつか散見された。噂によれば悪魔の中にも悪魔ならざるものがいるとか。
「……君も触る？ 本当はもっと大きいドラゴンが好きなんだけど、こいつらが懐いてくるんだ」
距離を取りつつも、その悪魔の近くに座る。うさぎが艶々とした二対の双眸を向けながら私に擦り寄ってきた。この悪魔の使いかもしれない──疑ってかかりつつも、撫でた。
「そんなに怖々撫でたら、こいつもびっくりしちゃうよ。こう……包むように撫でて──」
「触るな！」
悪魔の手が一瞬、私に触れる。私は咄嗟に身を引き、睨んでしまっていた。
「……ごめん。嫌だよな」沈黙を埋めるように続ける。「弟や妹がいるんだ。良く撫でてやるから、その癖で」
もしかしたら、こいつは悪い悪魔ではないのかもしれない。人をさらっては亡きものとしている悪魔とは違うのかもしれない。私は口を開く。
「あなたは、長男なの？」
「いや、次男だ。上にビルってのがいて、僕たちは七人兄妹なんだ」
「名前は？」
「僕のか？ チャーリー。チャーリー・ウィーズリー。よろしく……あっ」
チャーリーが私に手を差し出すが、少し考えたから引っ込めた。私はその引っ込められた手を握る。陽だまりのようにあたたかい。
あっかんべー、だ / Percy→←事件性ゼロの土曜日 / Bill
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狸ノ木(プロフ) - そると。さん» コメントありがとうございます！ 私も結構気に入っている話なのでそう言っていただきとっても嬉しいです……！ たぶんころっと落ちちゃいますね☺️(そんな機会があればですが！) (2022年4月5日 17時) (
レス) @page37 id: 7569f5552e (このIDを非表示/違反報告)
そると。(プロフ) - 最後のジニーのお話...めっちゃ好きです...あんな言われたら落ちるしかなくない...？？？ (2022年4月5日 1時) (レス) @page36 id: 49e4342c2d (このIDを非表示/違反報告)
狸ノ木(プロフ) - 弁当にトマト入れないでさん» コメントありがとうございます〜！！こんなに素敵な言葉を頂いてもいいんでしょうか……すごく励みになります😭してみたされてみた、また書きたいので出すと思います！ 楽しみにしてて下さい💞 (2022年2月15日 7時) (レス) id: 7569f5552e (このIDを非表示/違反報告)
弁当にトマト入れないで - してみたされてみたまた出して欲しいです！無理だったらすいません!!お話作るの天才すぎ!!めっちゃいいお話だらけ! (2022年2月14日 22時) (レス) id: 2bfe3fce26 (このIDを非表示/違反報告)
弁当にトマトを入れないで - 私もパーシーと、オリバー大好きだから主さんのお話大好きです！ (2022年2月14日 22時) (レス) @page16 id: 2bfe3fce26 (このIDを非表示/違反報告)
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