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結局、フレッドくんとジョージくんは私の友達になった。一年生、何にも不慣れな私を導いてくれた。動く階段、底意地の悪いポルターガイスト、狡猾なスリザリン生。二人は私を、騎士みたいに守ってくれた。
「あの、何でこんなにも助けてくれるんですか？」
また二人は声を合わせて笑う。
「「君が姫だからさ」」
訳が分からない。でも、悪い気はしなかった。
ホグワーツ二年目。学校にも慣れてくると、私は二人のイタズラに少し協力するようになった。余裕が出来たからって言うのもあるけど──加担すると、二人がすごく嬉しそうに笑ってくれるからだ。その、「姫」とやらを思い出すからなのだろう。だとしたらその姫は、相当ユーモアたっぷりで、私には似ても似つかない誰かなんだろうな。
「『姫』さんはホグワーツに来ないんですかね」
昼食を食べなから、私がふとそう言うと、ジョージくんが怪訝な顔で言い返してくる。フレッドくんも何か言いたげだけど、口の中にいっぱいパンが詰まっていて何言っているか分からない。
「え？ だから、君が姫なんだよ。わかる？」
「私、気がついた時からお母さんがいなくて、父と二人暮しでした。狭いアパートの一室です。だから、一国の姫ってのはありえない話です」
口の中のパンをかぼちゃジュースでやっと流し込んだ様子のフレッドくんが、口元を拭いながら言った。
「──もしかして、姫は『記憶喪失』なんじゃない？」
記憶喪失？
＿＿
「やだ！ フレッドとジョージのとこがいい！ あたしだけでもいる！ パパとふたりはやーだー！」
ボサボサのショートカットの女の子が泣き喚く。彼女を引っ張るように歩く父親。父子はどうやら旅の途中らしかった。田舎の村へ続く途方もない道を、灼熱の太陽に照り付けられながら歩いていた。
「あんな穢らしい場所にいてられるか！ 魔法なんて──魔法なんて、狂ってる」
父親が吐き捨てる。すると、どこからともなく、煤けたローブを纏った老婆が現れた。皺だらけの顔に、不気味な笑みを浮かべている。勇敢にも少女は怯むことなく立ちはだかる。
「魔法が狂ってるだって？ あんたらの方がよっぽどさ、腐れマグルが」
「何だと……？ またあいつらの一派か、失せろ！」
父親が猛る。魔女は嗄れた笑い声を挙げ、少女に杖を突きつけ、叫んだ。
「オブリビエイト！」
少女は、全てを失った。
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狸ノ木(プロフ) - そると。さん» コメントありがとうございます！ 私も結構気に入っている話なのでそう言っていただきとっても嬉しいです……！ たぶんころっと落ちちゃいますね☺️(そんな機会があればですが！) (2022年4月5日 17時) (
レス) @page37 id: 7569f5552e (このIDを非表示/違反報告)
そると。(プロフ) - 最後のジニーのお話...めっちゃ好きです...あんな言われたら落ちるしかなくない...？？？ (2022年4月5日 1時) (レス) @page36 id: 49e4342c2d (このIDを非表示/違反報告)
狸ノ木(プロフ) - 弁当にトマト入れないでさん» コメントありがとうございます〜！！こんなに素敵な言葉を頂いてもいいんでしょうか……すごく励みになります😭してみたされてみた、また書きたいので出すと思います！ 楽しみにしてて下さい💞 (2022年2月15日 7時) (レス) id: 7569f5552e (このIDを非表示/違反報告)
弁当にトマト入れないで - してみたされてみたまた出して欲しいです！無理だったらすいません!!お話作るの天才すぎ!!めっちゃいいお話だらけ! (2022年2月14日 22時) (レス) id: 2bfe3fce26 (このIDを非表示/違反報告)
弁当にトマトを入れないで - 私もパーシーと、オリバー大好きだから主さんのお話大好きです！ (2022年2月14日 22時) (レス) @page16 id: 2bfe3fce26 (このIDを非表示/違反報告)
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