We are You【短編集】 (ページ30)

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所々煙が出ている
　

恐らく消火栓を壊して錯乱させているのだろう

中島「…高木くん!!」

中島が見えた

駆け寄ってきて、俺を支える

遅れて重岡がやってきて神山を支えた

高木「…現状は？」

山田「知念と望とも合流出来た。

あとは出るだけだ」

あとは出るだけ…

この目で太陽を見れて、この足で外に出れる

桐山「逃がすかぁ!!」

そう考えた時、また後ろから桐山の怒号が聞こえてきた

高木「嘘だろ…薮が足止めしててくれたのに」

藤井「ああなった照史はもう止められん。

神ちゃんは俺が背負うから全力で駆け抜けるで」

藤井は神山を背負う

俺たちもダッシュで出口に向かった

桐山「ゴミクズが…ここから出れると思うなよ!!

淳太くんの城から…出られるわけないやろぉ!!」

濵田「うるさいのぉ、そんな叫ぶな」

濵田が…扉を開けて出口と俺たちの間に入ってきた

濵田「深夜に叫ぶな、照史。

近所迷惑やろ？」

桐山「ゴミクズどもが逃げようとしてたからな…逃がすわけにはいかないやろ。

それよりもナイスや、よく足止めしてくれた」

一瞬、暗闇から光りが見えたと思ったら足に痛みが走った

高木「いっ…」

桐山「足か…外したなぁ」

高木「こっちにとっては最悪だよ…!!」

濵田「せやな、最悪やな。

なんて言ったってここは…出口との近道なんやから」

濵田は指を指す

山田「近道…」

濵田「ここを通れば五分くらいは短縮されるやろ。

…行け、自由になれ」

もう迷っている暇は無い

俺たちはそこを駆け抜けることにした

桐山「…どういうことや」

濵田「あー、やられたわ。

あんな真っ直ぐな瞳で見つめられたら…腐った心なんてすぐに曲がってしまうな」