We are You【短編集】 (ページ29)

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神山を抱えながら出口へ向かう

　

神山「…ホンマは一緒に出たかった」

神山はゆっくりと話し始めた

神山「けど、もし失敗したらっていう気持ちが怖くて…自分から手を離したのに、照史の策略で部屋からハサミ出てきた時は守らなって思ったんや」

高木「守ってくれてありがとう。

次は俺たちが一緒に出る番だ」

すると電気が消えた

非常用電源に切り替わる

高木「知念と小瀧だ」

皆との合流地点まであと少し

必死に歩いていると目の前に看守が現れた

高木「…薮」

桐山「おー、ちょうどええところに獲物が二匹」

そして後ろからは桐山

桐山「淳太くん、真っ青な顔してうずくまってたな。

恐らく、ペン先か何か向けられたか…先端恐怖症ってこと隠してたんやけどな。

まぁ、えっか」

桐山は銃口を向けてくる

薮もだ

桐山「薮、撃てや。

撃ったら恩赦として、ここから出してやる。

ゴミクズを掃除したってことでな」

なんで何も言わないんだよ…薮!!

俺は神山を守るように立った

薮の銃口から光りと音が聞こえた

せめて一瞬で死にたい…痛いのヤダ…

そんなこと考えていたけど、何も無い

何事かと思ったら銃弾は桐山の左腕を貫いていた

桐山は銃を落とし、左腕を抑える

桐山「薮…何を…」

薮「俺は…こいつらを外に出したい。

だから、脱獄に協力する」

薮は顎で行け、と示した

俺は足を進める

桐山「待て…!!」

薮「行くなら俺を捕まえてから行け。

…元囚人、薮宏太をな!!」