We are You【短編集】 (ページ19)

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藤井「あぁ、あの傷な。

　

淳太がここに看守長として来た時からあるものやで？

その時から照史も一緒やったな…」

刑務作業をしながら藤井が教えてくれる

藤井「ずっと首元隠してるやろ？

その理由は首にある傷を見られたくないってことらしいで」

高木「なるほど…じゃあ、喋れないのもあの傷が原因？」

藤井「そこまでは分からん。

というか探ろうとするとものすごい剣幕で睨んでくる」

濵田「ほら、口じゃなくて手を動かし。

これくらいの注意はするで」

藤井「ん〜」

あの傷が…中間の弱点？

だとしたら何かあったらそこをつけば脱獄に使える？

藤井「…あ、濵ちゃん。

これ貰っていい？」

濵田「そう言って貰って部屋に置いといたんは誰や…。

また抜き打ちでチェック入って」

藤井「あの時はしくっただけや。

ちゃんと大切にしとる…じゃないと、またアイツらが困るから」

…藤井は藤井で重い事情がありそうだな

桐山「刑務作業の時間は終わりだ、ゴミクズ。

…最近、真面目にやってるみたいだな」

高木「まぁ、ゴミクズなんで。

ここの仕事くらい真面目に働かさせてください」

桐山は怪しむ目で見てくるけど…ほとんど嘘だしね

俺らはゴミクズじゃない、人間だってことを教えてやる