We are You【短編集】 (ページ18)

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八乙女「ほら、早く。

　

消灯時間いなかったら照史に」

高木「わかってるって」

トイレに行きたい、と言ったら八乙女が連れてきてくれた

…窓には鉄格子

ヤスリ系統はないからこれを外すことは不可能

何かを持ち出しては…無理だな、監視がキツイから

高木「今戻りまし…た…」

一応、怪しまれない時間で戻るといたのは八乙女じゃなくて

高木「中間…看守長」

中間だった

ニコニコといつもの笑みを浮かべたまま、くるりと背中を向ける

八乙女の代わりに牢屋に返す…ってことかよ

今は何もやってない…だからここまで怯えなくていいのに

たった数日の出来事がトラウマのように脳内にこびりついて冷や汗が止まらない

何か…弱点はないのか

薄目で見ていると首元に傷があるのが見えた

古い…傷

しかもそれは傷跡になるほど深いもの

高木「…中間看守長、その傷は一体」

そこまで聞くと中間の足が止まった

まるで聞かれたくなかったことを聞かれたかのような

ゆっくりと、そして怒りを含んだ目で俺を見てきた

高木「…すいません変なことを聞きました」