We are You【短編集】 (ページ13)

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8月4日ページ13

伊野尾「脱獄!?」

　

高木「静かに、看守に聞かれたくない」

大声を出した伊野尾の口を押さえる

有岡「脱獄って…すごいこと考えるね」

高木「昨日の山田見てたらここで何年もいるなんて耐えられなくなった。

逆になんで皆は耐えられてるの？」

それを聞くと二人とも黙って視線を逸らしてしまう

…俺が入る前に何かあったってことだな

高木「とりあえず俺は脱獄する、二人は？」

伊野尾「俺は…」

有岡「俺は賛成」

伊野尾が戸惑っていると有岡が手を挙げた

有岡「脱獄するってことはあの看守たちを騙すってことでしょ？

そんなの最高じゃん」

…そうだ、有岡がここに収監された理由は詐欺

人を騙しているんだ

伊野尾「…それ、本心？」

有岡「まあまあ一緒にいるいのちゃんなら分かるでしょ？」

高木「…伊野尾は、どうする？」

伊野尾「ここで断っても断らなくてもどっちにせよ共犯関係になるんだから。

いいよ、一緒に脱獄しよ」

よし、とりあえず二人協力者が出来た

有岡「東棟も誘お、あの三人は絶対に手伝ってくれる」

高木「ねぇ、西棟も一緒に脱獄させたい」

そう言うと驚いた目でこっちを見た

伊野尾「なんで西棟も？

答えによっては俺、このこと照史にチクるよ」

…嫌なところにチクるな

高木「確かに仲は悪いけど…看守に虐められて苦しんでるのは同じ。

俺たちが脱獄に成功した場合…より虐められるのが目に見せてる。

そんなの、スッキリしないから」