厄災は今日も【三途春千夜】

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歩いていると唐突に春のスマホがけたたましく鳴った。


「悪ぃ、マイキーだから出ないと」


『全然平気だよ』



話の内容が聞いてもいいものなのか分からないので少し離れて待つ。



「……はい、三途です
　…やっぱり奴らですか
　はい
　隊長は？」


どうやら何かトラブルがあったようだ。

春に聞いたところで、「巻き込みたくない」と何も教えてくれはしないだろうが。




『ずいぶん長い電話だな…』



だんだんと暇になってきてフラッペを啜りながらスマホをいじっていると、ふと肩に置かれる手。



『春！…じゃない』



見上げた先には何人かの男。



『ナンパなら他を当たることをお勧めするよ』



春の怒った顔を思い浮かべながら忠告するが、全く聞く耳を持たない。



「いいじゃ〜ん、お姉さん暇っぽかったからさ〜」

「お茶だけでもいいから！」

「奢るよ？」



呆れて思わず出そうになったため息を抑え込み、一気に捲し立てる。



『だからさ
　人の話はちゃんと聞いといた方が身のためだよ
　あと、ナンパは1人でいる女の子にするものでしょう？
　次からはちゃんと周り見てから声かけてね』


「え？
　お姉さん1人じゃん」

「俺らだってナンパ経験なら豊富にあるからそういうのは分かってるよ」



『君たちの目は節穴かな？
　後ろみてごらんよ』




そこには怖いほどに微笑みを浮かべた春が立っていた。



「お前ら誰に声かけてると思ってんの？
　とりあえず来いや」

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