厄災は今日も【三途春千夜】

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冷蔵庫を勝手に開け、潔癖症な春がきちんと入れた食材たちを適当に調理していく。

春も見た目は女の子のようだがちゃんと男の子なので、とりあえず何品か肉料理を作る。


その後サラダを作っている時。


「A〜」


『へゃっ！？』


「なにその声
　そんなにびっくりするか？」


『いやするでしょ
　今包丁持ってるから気をつけた方がいいよ』


「おぉ怖」



いつの間にか起きていたらしい春が後ろから抱きついてくる。


咄嗟に包丁を向けると笑いながら後退していく。



「これAじゃなかったら多分ぶん殴ってたわ」


『どゆこと？
　包丁向けられたらってこと？』


「そう」


『喧嘩で包丁向けられることってあるの…？』


「…ない」



思わず吹き出すと、春もつられて笑い出した。



笑った顔も綺麗だな〜と呑気に考えていると、ポケットに入りっぱなしになっていたスマホが振動する。



『やば
　姉さんだ』


「なんて？」


『“また三途さんの家行ってるの？
　いいけどもうすぐ帰って来ないと母さんキレそうだよ”だって』


「お姉さんに認識されてたんだ俺」


『そこ？
　それはまあ姉さんにも話してるから認識はされてるよ
　ていうかもう帰んなきゃ』


「サラダ途中じゃん」


『だよね
　“ご飯作ってから帰るって言っといて”…と』




母さんはキレたら大変だ。

昔夜11時まで遊び歩いていた時、ものすごくキレた母さんはなんの罪もない姉さんもろとも外に放り出し、そのまま丸一日家に入れてもらえなかったことがある。


『じゃあサラダ作ったら帰るね』


「おう」

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