もし、 (ページ6)

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隣になったイ・ヘチャンはジェノと同じバスケ部らしい。
すでにファンもたくさんいるらしい。
一つ上のマーク先輩っていう先輩と仲良いらしい。
ダンスが得意らしい。

らしい、というのは全て、防ぎきれないほど流れ込んでくるイ・ヘチャンの噂だから。

「おっはよーーーーーん！！！！」

そう思えばご本人登場だ。
あれから3週間くらい経ったか、すっかりクラスの中心になったこいつ。未だわたしはちょっと苦手。

「おはよ、Aさん。」

窓を見ててもどうしてもこいつが視界に入ってくる
なんだよ、なんでそんなにさっきとは真逆で柔らかい挨拶してくるんだよ、、、ほんとにわかんない、、、、

「今日も早いのね〜Aさん、でもそんなに早くにきてなにしてんの？」

「…早起きは三文の徳っていうでしょ、人間観察。」

「たのしい？」

「んーまぁまぁ」

ぷつん。
特に暖かさもなく会話を終える。
こんな会話の何がいいのか、毎日のように話しかけてくる

「おはよ、A。」

「あ、ジェミナおはよ。今日、お弁当？」

「んーん、」

「よかった、『ジェミンくん、これ好きだったよね』って詰めたお弁当持たせてきたから」

「お、まじ？」

「えーーーーーージェミナ、今日Aさんの弁当なのぉ？」

「ヘチャニ、
親同士が仲良いからたまにあるんだよ」

「漫画の中の幼馴染じゃん！！！！」

「え、ジェミナいつのまにイ・ヘチャンと仲良くなったの」

「ウリジェノを通して仲良くなったんだよ、席近いくせにね。人見知りしちゃうから。」

「待って、Aさん俺のことイ・ヘチャンって呼んでんの」

「え、だって、まぁ、あんま仲良くないし、？」

「だめ！！！！！せっかく隣なんだからへちゃに❤︎って呼んでね！！！！！！！！！」

「じゃあヘチャナもそのAさんってやめてよ」

「わーーーー！！！！！まじ！！！！！！！」

なんでそんなに喜ぶのかわかんない。やっぱりわかんないこいつ。

「朝から元気だねヘチャン。」

「ヤー！ジェノヤ！！！聞いてくれ！！俺Aさんと仲良くなれたんだぜ！！！」

「お、A、よくこんなやつと俺がいなくても仲良くなれたね？苦手なのに」

「こんなやつってなんだよ！！」

「うん、ジェミナもいてくれてるから。」

「そっか」

その笑顔がわたしに向けられてる。少しでも。