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『まざらんの?あの中』
賑やかにバーベキューをしている方を指差しながら、彼は言った。
正直言うと、ああいう中にいれたらきっとそれはそれで楽しいんだろうなって。
思ったことはある。
でも、今は思わないかな。
「ああいうの、苦手で。」
『うぉ!めっちゃわかる!
後先考えてないって言うかさぁ』
「そうそう!」
びっくりしてお互い見合ってしまって、
ふと、自然に笑みが溢れた。
でも、不思議。
この人、あの輪の中にいそうなくらい明るいもん。
陽キャ、って言うんだっけ。
『俺、あの輪の中にいそうやろ?
よく言われんねん』
「うん。今そう思ってたとこ」
『わぁ奇遇やな!びっくりやわ!!』
そう、子供のようにはしゃぐ姿が、なんだかかわいかった。
『ん、なぁ、なんて呼んだらええ?』
「なんでも、」
『じゃあ、A!』
「い、いきなり呼び捨て・・・?」
『あかん?』
「いや、まぁいいや。
なんて呼んだらいい?」
『うーんと、よくしげって呼ばれとるな』
「じゃあ、しげ、さん。」
『ふはっ、さん付けんでええんに!」
「・・・じゃあ、しげ。」
『よし!それでよろしい!』
なんて言って敬礼みたいなポーズをするから、笑みが溢れる。
『よしっ!川行こ!』
「え?」
『ほーらー!行くで!』
そう言って彼は私の手首を掴んで、川の方へ走っていった。
______________その背中が少年っぽかったのを、今でも鮮明に覚えている。
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作者名:まるえだまめいんげん | 作成日時:2023年2月26日 16時