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私が彼と出会ったのは、7月。
サークル内でのバーベキューだった。
何度か、サークルで新歓コンパなどがあったらしいが、
そういうのが苦手な私は、全く参加していなかった。
ガチャガチャしていて、ただその場のノリだけで、
後のことは考えていない感じが嫌いだった。
それに、私なんかがいたら、
きっと空気を悪くしてしまう。
だからその日だって、
本当は行くつもりなんてこれっぽっちもなかった。
けれど、友達の真央がどうしても、
と言うのでやる気ゼロで来たってだけで。
真央は人付き合いが得意だし、
サークルでも仲良い人がいっぱいいるから、
すぐ周りと話し出していた。
一人残された私は、
誰かが持ってきた冷たいドリンクを片手に、
これまた誰かが持ってきたキャンプ用の椅子に腰掛けていた。
「早く帰りたいなぁ。」
ポツリとつぶやいた。
『俺も。』
と、誰かが返事をした気がするけれど、
私の言葉に返してくれる人は、
今日の集まりにいないってわかってたから、
気のせいだと思った。
『ん、なぁ！』
また誰かの声。
きっとあっちの方で楽しそうに話してる人の声。
『なぁってば！』
また声が聞こえた。
と同時に、頬に急速な冷たさを感じた。
「ひゃっ！」
『ふふ、やっと気づいたぁ』
「・・・誰ですか？！」
横を見ると、缶ジュースを片手に座っている青年がいた。
『俺、重岡大毅！1年！自分は？』
そう答える彼は、夏にぴったりな、向日葵みたいな笑顔で笑った。
「仲野、Aです・・・ 1年。」
これが、彼と私の、初めての会話だった。
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作者名：まるえだまめいんげん | 作成日時：2023年2月26日 16時
