私の口は喋らなくていい事を喋るのが上手らしい*5部【名探偵コナン/トリップ】

186話 ページ11

「っはぁ…くそ、どこだ…A！！」

園内を駆けずり回る、勿論立ち入り禁止区域もあったからそこはとりあえず後回しで走り回った

人混みに揉まれながら、誰1人として見逃さないように隅々まで見て名前を呼ぶがAさんは見つからない

俺が呼べば、どうしたんですか降谷さん！なんて言いながら出てくる事を期待していた

だが何処にもいないのだ


あの時無理矢理にでも引き止めておけばこんな事に、こんな気持ちにならずに済んだのではないか

でもあのAだから探し続けていればひょっこり現れるのではないか

でもこの嫌な予感はなんだ、胸にポッカリと穴が空いたような感覚はなんだ

彼女は、何者なんだ


色んな気持ちが湧き出て色んな気持ち入り混じり頭も心も混乱状態だ

あぁ、本当に、いつの間に彼女は俺の中でこんな大きな存在になっていたんだ


最初会った時にはベッドで寝ていて全然起きないしどうしようかと思った、起きたら起きたで俺の素性をベラベラと喋り始め俺のストーカーだとコナンくんから聞かされた時にはかなりドン引きした

何だかんだあり一緒に暮らすことになったのは守らなければという感情任せに動いてしまった俺の責任でもあるがいつの間にか家に誰かがいることは良いなと感じ始めた、飯を作ってやる相手がいて、ただいまおかえりが言いあえて、おはようからおやすみも

大体男女が暮らすとこうなる事は分かっていた、しかも相手は俺の事を凄く好いているときた
俺は気付かないうちに彼女に惹かれたのだろう、まさかあんな人を好きになるとは思っていなかったが

ジンと話した時心の奥隅で
彼女をジンや他の男なんかに渡したくなんかないと独占欲に似たものを抱き始めたのだ、だからあの時何も言えなかったのだろう、ジンが貴女に好意を抱いている事を知られたくなかった、そんな事を知らされたら気になりだすのがお決まりである

あぁ、本当に
今になってこんな詳しく自分を理解するなんてな

お前がいなくなってから段々と大切さに気付く

「どこにいるんだ…」

戻ってこい、A

俺の腕の中に戻ってきたその時、俺は

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