36話 秘密 ページ37
.
部屋に戻ると、真っ先に風呂場に向かう。
シャワーを浴び、汚れのない服に着替えた。
『喉乾いたな。』
冷蔵庫に向かい、ペットボトルを取り出すと水を一口飲む。
一息つくと、もう一度ボトルに口をつけようとした。
その時、
突如として、激しい胸の痛みに襲われ、その場で蹲る。
ｶﾞﾀｯ
『ﾊｧ……ﾊｧ…………いｯｯ……たぃ……。』
余りの痛さに手から蓋の空いたペットボトルを離してしまい、水が床に散乱した。
『ﾊｧ………ﾊｧ…や…ばい……。』
体内からから込み上げる温かいモノを手で抑える。
ｺﾞﾎｯ...ｳﾞ...ｹﾞﾎｯｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯ...
『うっ、……ち…から…ﾊｧ……つかいすぎ…た…。』
.
.
弄られた私の身体はもはや限界を迎えていた。
個性を使う度に私の命は擦り減り、小さくなってゆく。
悲惨な過去が蘇る。
全部。ぜんぶ。
勝手な大人たちの所為だ。
あいつらから、こんなどうしようもない個性を得た。
初め、私には半冷半燃の個性しかなかったのに。
あの忌まわしい実験によって多様多種な個性を組み込まれた。
後に成功作として、大人たちはこの力を『万能』の個性と称した。
何が、成功作だ。
何が、『万能』の個性だ。
誰かを傷付けるためでしかないこんな力。
あったって意味が無いじゃないか。
.
.
.
.
だれか。だれか助けてよ。
.
.
ﾎﾟﾀｯ ﾎﾟﾀｯ
抑えきれていない手の隙間から血が滴る。
咳が少し落ち着いた所で、薬を服用する。
(早く…治まれ……はやく……。)
身体引き摺ってベットに転がり込み、
肩で荒く息をしながら、意識を手放した。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 129人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わんわん(プロフ) - イェーイさん» 返信遅くなりました申し訳ないです！久方ぶりに手をつけてみて今夜中に5話を編集して公開します。 (8月10日 13時) (
レス) id: 0844f591dc (このIDを非表示/違反報告)
イェーイ(プロフ) - 続きお待ちしております😭😭 (8月10日 2時) (レス) id: d32b35d539 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：わんわん | 作成日時：2020年4月4日 6時
