33話 対面 ページ34
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｢暫く御無沙汰ですね、エンデヴァー。｣
久遠寺は窓際から離れ、接待用の席に座る。
｢どうぞ、腰をかけて下さい。｣
自分の向かい側のソファーに手を差し出す。
炎司が腰を下ろしたのを確認して尋ねる。
｢本日は如何なさいました？｣
｢今更見捨てた娘が気になって返還を求めにいらっしゃいましたか？｣
そう煽るように聞く。
｢…………そうだと言ったらどうする。｣
予想外の返答に久遠寺の心が高ぶる。
｢そうでしたかぁ。｣
｢ですが、残念です。こちらの引渡しに同意した以上、返還は認められません。｣
｢其れに第一、彼女自身もこちらでの生活を望んでいます。｣
久遠寺は薄笑いを浮かべた後、Aの名前を呼ぶ。
『……お呼びでしょうか。久遠寺校長。』
突如として久遠寺の横に現れたAは、以前とかなり変わり果てた姿になっていた。
まだ幼い容姿に似つかわしくない、
酷く大人びた雰囲気に、
冷たく、無機質のような声。
それは、まるで化け物のような＿＿＿＿＿＿。
炎司が目の前の娘に圧倒されていると、
Aが光の宿っていない目でこちらを見据える。
｢………貴様、娘に何をした。｣
威嚇するように個性を出す。
｢………場合によっては、貴様を処さねばならん。｣
炎司の様子に怯えること無く、余裕そうな久遠寺は吐き捨てるように言う。
｢この子の手を離したのは、貴方じゃないですか。｣
その一言で、その場が凍りつく。
図星をつかれた炎司は思わず個性を弱める。
Aは変わらず二人の様子をただじっと見ていた。
｢なら、本人に問おう。｣
｢君は、君を捨てた家族の元へ戻りたいかい？｣
Aの目が少し揺らぐ。
｢…………いえ。私は、校長のお傍におります。｣
その言葉を聞くと、炎司は眉を顰め、荒々しく校長室を出て行く。
父親の後ろ姿が小さくなっていくのを見ながら、ｸﾞｯと下唇を噛むと、感情を押し殺した。
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わんわん(プロフ) - イェーイさん» 返信遅くなりました申し訳ないです！久方ぶりに手をつけてみて今夜中に5話を編集して公開します。 (8月10日 13時) (
レス) id: 0844f591dc (このIDを非表示/違反報告)
イェーイ(プロフ) - 続きお待ちしております😭😭 (8月10日 2時) (レス) id: d32b35d539 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わんわん | 作成日時：2020年4月4日 6時
