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伍拾捌話 ページ12

カァンッ、カンカンッ


空気をさくような気持ちのいい音が辺りに反響する。


蝶屋敷の庭にて、私とカナエちゃんは防御を主体とした手合わせをする。


『さすが現役花柱だね。前よりも動きが良くなっているよ』


「はぁ、そ、そうかしら……っ!?」


童磨とは一度剣を交えていることもあり、彼の動き方や攻撃の仕方は把握している。


彼のやりそうな手段をとことん使って攻撃を仕掛けていく。


『次は範囲攻撃の回避と防御をしてみようか』


「わ、わかりました!」


威力を調節して幻天の呼吸 弐の型 殺人氷狼を繰り出す。


これは、広範囲を瞬時に凍てつかせる技だ。
下手に近づけば肺の細胞のみならず、全身の細胞が瞬時に壊死していく。


カナエちゃんは後ろへと大きく飛び下がって回避をするが、少しずつ威力を上げて範囲を広げていく。


『避けるのも大切だけど、そのままじゃ永遠と勝てないよ』


「だ、だけど……!」


『広範囲の技ってのは大抵、どこかしらに隙があるものだよ』


そう言うと、ほんの少し経ってから、カナエちゃんが呼吸を使って私の懐に飛び込んでくる。


『っ! 凄いね、カナエ!』


「な、なんとなくだけど…コツが分かってきた気がするわ」


『そう、それ。時間を掛けてもいいから、相手の癖と隙を見極めるの』


カァンと勢いよく木刀同士がぶつかり合う。


狼と名が着くとおり、先程の技は遠くから見れば一匹の巨大な狼の形をしている。


ただ近くから見れば、氷の嵐に見えるだけで隙なんていくらでもある。


それさえ分かれば、呼吸を使って一瞬の隙を突破する事だって可能だ。


私とカナエちゃんがやる手合わせは決まって、互いの頸を狙う。
互いを鬼だと思って戦うのだ。


カナエちゃんの木刀は全て寸の所で止められるが、私の木刀はカナエちゃんの急所に何度も軽く触れる。


これが実際の戦闘ならば、既に死んでいるだろう。





『………うん、よし! 今日はこの辺りで終わりかな』


そう言いながら、私はカナエちゃんの木刀を頭上へと弾き飛ばす。


「はぁ、はぁはぁ……ッ、あ、ありがとうござい、ました……っ!」


カナエちゃんは全身汗だくで、その場に座り込む。


空を見ると、陽は既に落ちている。


『だいぶ動きも良くなったよ、お疲れ様』


私は手を差し伸べると、カナエちゃんは嬉しそうに手を取った。

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尊い - 続きが速く見たいです (2022年3月26日 23時) (レス) @page11 id: 730adcd2c0 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 続きが気になるぅぅぅぅうぅぅう!!!!更新楽しみにしてます! (2022年3月18日 8時) (レス) @page11 id: 04c952a5b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わんフル | 作成日時:2022年2月22日 8時

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