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USJ事件の時の、あの敵。
母のことを知っていた。
あの敵に会うにはなにをしたらいいのか、まずそこから考えよう。
いや…
「今はパトロールに集中しよ！
いつヒーロー殺しが出てくるかわかんないんだから…」
そう、いつヒーロー殺しが出没して、襲ってくるかわからない。
いつも、常に、緊張感を持ち、張り詰めた状態でいること。
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パトロールは無事に終わろうとしていた。
こうして常に気を張っていると、疲れも溜まるがその分集中力が格段に上がる。
だから、人の少しの違和感でも感じ取れるようになる。
実際、横に飯田くんがそうだった。
先ほどから…いや、職業体験が始まってすぐか。
ずっとソワソワして辺りを見渡している。
そりゃパトロールだし、辺りを見渡すのは当たり前なのだけど。
「…飯田くん」
「…、なんだ？」
「…ヒーロー殺しが気になるのはわかるけど、集中しよう」
きっと飯田くんは、お兄さんのこともあってかヒーロー殺しを探して…
ヒーロー殺しが出没する保須市に事務所を持つマニュアルさんについてきたのだろう。
私が黙って、コスチュームで隠れてしまっている飯田くんの目を見つめていると
「私怨で動くのはやめたほうがいいよ」
私たち2人の前を歩いていたマニュアルさんがそう言った。
私たちはびっくりして目を見開くも、マニュアルさんはこちらに振り返り
「我々ヒーローに逮捕や刑罰を行使する権限はない。
“個性"の規制化を進めていった中で、"個性"の使用を許されてるわけだから
ヒーロー活動が私敬意をとなってはいけない。
もしそう捉えられれば、ソレはとても重い罪になる」
マニュアルさんも飯田くんがヒーロー殺しを探していることに気がついていた。
冷静に判断し、なんでもそつなくこなす…
飯田くんが話していた意味が分かった気がする。
「あ、いや！ヒーロー殺しに罪がないとかじゃなくてね、
君真面目そうだからさ！視野がガーッてなっちゃいそうで、案じた」
「ご忠告感謝します」
あれだけかっこよく決めたあとなわたわたしながら説明をしていた。
ちゃんとすぐにフォローする辺り、本当にいい人なんだな、と…
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作者名：豆腐 | 作成日時：2021年11月25日 19時
