【ヒロアカ】首を掻っ切れ (ページ31)

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そんなこんなでいろいろあったが、時が過ぎるのは早く…
気がつけば職業体験１日目に突入していた。

「今日からよろしくね、飯田くん」
「もちろん！こちらこそよろしく頼む、蝶首くん」

ちゃんと飯田くんと話したり関わったりするのはこれが2回目だ。
彼がとても真面目であること、正義感の強いことはよく知っている。
そして…引退したプロヒーロー"インゲニウム"の弟であること。

彼も私同様、近しい親族にプロヒーローをもつ。
インゲニウムは名の知れたヒーローだったこともあり、弟である飯田くんへのプレッシャーも
他の人とは段違いなのかも知れない。

そこに関しては…私とも近しいものを感じて、親近感が湧いた。

「マニュアルさん、私どういう人なのかよく知らないんだけど…どういう方なの？」
「ノーマルヒーロー、マニュアルは…なんでもそつなくこなす方だ。
　何事も冷静に判断し、全てにおいてしっかりと区分けができる凄い人だ」、

ほう、とうなずきながら聞いていると

「ある意味、君と似ているのかも知れないな」

と飯田くんがこぼした。
似ている？私とマニュアルさんが？

「何事も冷静に判断できて、強い指揮能力を持っている」
「それは…学級委員をやってる飯田くんもそうでしょ？
　責任感と指揮能力がないとヒーローの卵たちをまとめるなんてできないよ」
「それは…いや、違うな。
　俺はそんな大層な人間ではない。
　すぐ感情的になってしまう癖、なんとかしないといけないんだが…」

どうやら飯田くんは自分を過小評価する性格のようだ。
全くそんなことないのに…

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職業体験初日…
マニュアルさんに自己紹介して、まず疑問に思われたのはやはりヒーロー名だった。
一瞬不安そうな表情をしたものの、とても穏やかな声で「いい名前だね」と言ってもらえた。

「初日はまずパトロールを行うよ。
　まぁ2人とも知っていると思うけど、ここら一帯は今
　ヒーロー殺しの件で警戒を強めている。
　いつどこから危険が降り注いで来るかわからない。常に緊張感を持って行動すること」

私たちは声を揃えて、「はい」と返事した。
緊張感を持って…いつヒーロー殺しと遭遇するかわかったもんじゃない。