リナリア (ページ21)

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『じゃあ私ここだから、また明日ね！』

そう言ってから立ってドアの前に向かう。

すると、湧も慌ててリュックを背負いついてくる。

湧「なに言ってんの、ここからが危ないんでしょ。

女の子をこんな暗い中1人で帰らす男にはなりたくないわー」

『大丈夫だよ？そこまで遠くないし』

湧「だーめ、大丈夫かなんて分からないでしょ。

家まで送るったら送る！」

『んんん、、分かった、、』

湧「それでよし」

改札口を通り抜けて家までの道を歩く。

湧「よくこんな暗い道なのに大丈夫とか言ったな。

俺まじついてきて良かったー」

確かに暗い。

だけど住宅街だし、駅からそこまで遠くないし、、、

なんて考えていると、前から大きな人影が現れる。

湧はすぐに私の腕を掴んだ。

颯「A？」

湧「なんだ、颯太かよ～！

まじびびった！！！」

前から歩いてきたのは颯ちゃんで、私達の姿を確認するとなぜだか悲しそうな顔をする。

颯「なんで手繋いでるの、、、？」

すると湧が焦ったように手を離して

湧「颯太！颯太！誤解だって！！！

颯太が不審者だと思ってAの手掴んでなんかあったら守ろうとしただけ！

それまでは普通に横歩いてただけだよな？」

ナチュラルに " 守ろうとした " ってかっこいいことを言う湧だけど、なんでそんな焦ってるんだろう笑

『うん、手なんて繋いでないよ笑

てか湧なんでそんな焦ってんの笑』

颯「なんでいつの間に湧呼びー！？！？」

さっきよりは元気になった颯ちゃんが大きな声をあげる。

『颯ちゃん！颯ちゃん！近所迷惑！しーっ』

すると目の前の家からガチャと扉が開く音がする。

やっぱうるさかったかな、怒られるかなってチラッとそちらを見ると見覚えのある姿。

尚「‥.こんな時間なのに外騒がしいな、うっちーみたいだなって思ったらうっちーだった。」

そうじゃん、ここ尚大ん家じゃん。

てことは向かいの家は光輝の家。

颯「それ俺が騒がしいってことじゃん！！」

尚「うん、そーだよ。

てかこんなとこでなにしてんの。

なに、Aの彼氏？」

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