ぎゅってして、好きって言って【狗巻棘】

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＊



真「A大丈夫か？顔色があまりよくないぞ」


「あ、う、うん！大丈夫だよ？元気元気！」


真「それならいいんだが」









自分の席についたところで数分経ってガラガラと教室のドアが開く。





さっきは思考が鈍ってて考えていなかったけど、あの場からすぐに去ったとして棘くんと同じ教室だと意味が無いということに気づいた。






それならまだ一緒に教室まで行った方が不自然じゃなかったんじゃ、とも思ったがそれだと自身の身がもたない…とすぐにその考えはかき消される。







棘くんが自分の席に座る途中、目が合った気がしたがこちらからすぐに逸らしてしまった。









＊








本格的にやばい。
今日に限って実技の授業があることを完全に忘れてた。







朝よりも体調が悪化してるのは明白だった。

授業の合間に皆にバレないように棘くんから貰った栄養ドリンクを飲んではいたものの、治まる気配はない。







それに加えて、外の肌寒い気温。
最悪の状況だった。









真「次Aだぞ」


「あ、うん！」









ここから100m先まで全力疾走。
そのくらいならなんとか上手くやれるはず。
呪力を扱う実技じゃなくてよかったと、それだけは不幸中の幸いだった。






浅い呼吸をやめて、1つ深い呼吸をする。
吸って、吐いて。









よし。









スタート、という合図で地面を勢いよく蹴りあげ、そのまま勢いよく走り出した私の身体がふわふわと宙に浮いてそのまま後ろに倒れ込んでしまったのは…









真「A！？」


パンダ「大丈夫か！」









言うまでもない。

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