ぎゅってして、好きって言って【狗巻棘】

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＊




「あ！私のいちご…」


野「え？ごめん！嫌いだから残してるのかと…」









最後の最後にとっておいたいちごが、向かいにいた野薔薇ちゃんにあっさりと食べられてしまった。




友達の言っていた″誰かに取られちゃうよ″の言葉が身にしみていくようだった。









棘「たかな」


「え、？くれるの？」









元あったいちごの場所に、
ひょいっと新たないちごが乗る。




ツナツナ！と笑う棘くん。
その笑顔にきゅんとしつつ、優しさにも惚れ直す。




出来ることならば今すぐに抱きついてしまいたい衝動を抑えて、ありがとうと言った。





なくなったいちごが別の形で帰ってきてくれた。



パクッ。









なんだかいつもより甘い味がした。









＊









「うっそーーー！また負けたあ」


真「A、そこまで連続で負けるのも逆に才能なんじゃないか？」


パンダ「トランプに負ける才能なんか1番要らなくね」


伏「考える力が足りてないんじゃないですか」


「うるっさいな！とりあえず、何が欲しいかみんなLINEで送って」









お腹もいい感じに満たされた頃、
私たちはテーブルを退かしてカーペットでトランプ大会を開催していた。





3回負けた人が罰ゲームとして、コンビニへ買い出しへ行くというルール付きで。





見事に完敗した私。





まぁでも、外の空気を吸って気分転換したいし、コンビニへ行くことは苦ではなかった。









棘「ツナツナ！」


「え？一緒に行くって？」


棘「しゃけ」


五「確かに外暗いし、女の子1人じゃ危ないもんね」


棘「しゃけ」


「そ、それじゃ…お願いします…」









という流れで現在、
棘くんと2人でコンビニへ向かってます。

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