ぎゅってして、好きって言って【狗巻棘】

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隣を歩く棘くんは何だかいつもよりムスッとした表情をしている。






お腹でも痛いのかな。
もしかして、好きな具材間違えちゃったかな？









「棘くん、その…
食べたかったおにぎり…ツナマヨじゃなかった？」


棘「おかか」


「え、おかか！？そっか〜〜明日買ってくるね！」


棘「！？おかか、おかか！」


「あ、ああ！否定の言葉だったね！
ごめんね、私まだまだ理解不足で…」









また、おかかと言う。ぶんぶん首を振りながら。
これは多分、″そんなことないよ″









「棘くんたちは明日任務かぁ。また私1人待機…」


棘「たかな…」


「でもね、その日は伏黒くんに式神を見せてもらうんだ〜。
私も一応′精霊使い″だから…
少しでも学べるものがあると思って」


棘「ツナツナ」


「″頑張れ″ってこと？」


棘「しゃけ！」


「えへへ、やったぁ」









多分私の体調を心配してか、
先生から少しの間任務に同行することを禁止された。




だからその間に、自分の出来ることをしようと思う。








私の術式である、精気操術は、
草木、動物、人、有無機物に宿るとされる自然的な存在である精霊を扱う。







慣れるともっと強い精霊を従えることが出来るらしいのだけど…







私はまだまだ使い慣れていないから、小さな精霊を少し呼び出すことしか出来ないのだった。







普段は精霊の姿が特別見えている訳でもない。
目をつぶって意識的に自身の呪力を貯めないと見えないのだ。







だから呪力を使ったあとは体力を酷く消耗してしまう。

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