ぎゅってして、好きって言って【狗巻棘】

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「お花、綺麗だよね」


棘「す、すじこ…！」









朝、花壇の前にしゃがんでお花に水をあげている棘くんを見つけた。






綺麗なお花にかっこいい棘くん。


いい組み合わせだな！なんて見惚れながら、
私の好きな優しい表情を浮かべる棘くんに胸がきゅんとなる。







私が来てることに気づかなかったのか、
私が声をかけると驚いた様子でこちらを振り返った。









「私は、チューリップが好きだなぁ」


棘「こんぶ？」


「春は出会いの季節だから好き。
だから春に咲くチューリップも好き、あと桜も！」









棘くんは少し考えて、こくんと首を縦にふる。
棘くんが何を思っているのかは分からない。









「私ね、棘くんに出会えてすっごく嬉しいよ」









何だか気恥ずかしくてえへへ、と笑いながら言うと、
棘くんは目をまん丸にして私を見たまま動かない。







やっと動いたかと思ったら、
ふいっと花壇の方に顔を向ける。






またそっけない態度とられちゃった。
あんまりこんなこと言われたくないかな。







何も言わない棘くんにそう思っていたら、








棘「…ツナマヨ」









とただ一言、小さくぽつりと呟いた。









「一緒に教室まで行こ？」









彼の言った言葉の意味はまだ完璧には理解出来ないけれど、







最後に呟いた言葉が、
″俺もだよ″だったらいいな。







そう心の中で思っていた。

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