届け、あたしの歌（10-8） ページ42
その後も街の至る所で兵士たちに追い回され、その度にとりなんさんやズズ、愛の戦士、とりっぴぃ、ﾀﾗﾁｵが応戦し、なんとか無事に〈エコーロック〉の外まで逃げられた。
街の外に出る頃にはもうどっぷりと日が暮れていて、とりっぴぃの作ったライターで火を起こし、町外れの廃村で一息をついた。
みんな肩を息をしながら、火を囲む。
こいろちゃんは途中からズズにおぶられていて、今はそのまま寝てしまった。
「はぁ〜疲れたぁ………非戦闘員にはキツすぎるけ〜」
「王都軍は無尽蔵にいるからな。どうにか撒けてよかった」
崩れかかった廃屋にて、ぐったりと寝転がるにどみとそれを宥めるﾀﾗﾁｵ。
そういえばﾀﾗﾁｵは中佐じじいから「大佐」って呼ばれてたし、いろいろ装飾された軍服姿だし、王都軍の一員だったのか。
「てかよォ、なんであいつら俺らのこと襲ってきたんだよ？俺はこの世界では英雄的なポジションなわけだろォ？なんで敵視されてんだァ？」
思い出したように首をひねり出す愛の戦士の言葉に、たしかに、と何人かが賛同し、チラチラとﾀﾗﾁｵの方を伺う。
ﾀﾗﾁｵは少し迷うように視線を泳がせてから、諦めたように目を伏せた。
「……4週間くらい前、とある男が現れた。そいつはたった一人で王都軍の精鋭を1日で制圧し服従させ、その兵を使いわずか2日で王都を乗っ取り、『大将』の地位を手に入れ、政権を握った。そいつは『自分だけ神になるため』に一人で『悪魔』を殺すことを目的としていた」
「つまり、そいつにとって〈能力者〉は自分の野望の障害物、「邪魔者」なんだよ」
ﾀﾗﾁｵが強く言い切ると、部屋の中は静まり返る。
神になるためとか正直意味わからんけど、どうやらそいつはそんなアホみたいなことのために国を乗っ取るくらいキチッてるらしい。
「……じゃあ、先輩の故郷の人が言ってた増税は？」
「自分の指揮する軍隊で『悪魔』を殺すために軍隊の強化をしているから、そのための増税だ」
なな湖が静かに業を煮やして、ﾀﾗﾁｵに問いかけ、それに冷静に答えたﾀﾗﾁｵの返事になな湖は悔しげに拳を固めた。
多分その増税がなければなな湖は先輩の故郷を滅ぼすこともなかったから。
「……その『大将』って誰なんだよ、ﾀﾗﾁｵ」
眉間にしわを寄せて、明らかにイラついた様子のとりなんさんに急かされ、ﾀﾗﾁｵは表情を険しく変えて、ハッキリと答えた。
「……王都の新将軍は
先端恐怖症だよ」
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あんぴーなっつ(プロフ) - かおりのさん» コメントありがとうございます！琵琶ちゃぷの話はかなり気合入れたので、感動していただけて嬉しいです！閲覧ありがとうございました(*´ω`*) (2019年9月15日 22時) (
レス) id: 236992ae33 (このIDを非表示/違反報告)
かおりの - めっちゃ面白いです!琵琶ちゃぷの所すごい泣けました！全然ゆっくりでいいので更新頑張って下さい！ (2019年9月14日 22時) (レス) id: a7a49677e4 (このIDを非表示/違反報告)
あんぴーなっつ(プロフ) - ネコさん» コメントありがとうございます！楽しく読んでいただけて私も嬉しいです！閲覧ありがとうございました(^ω^) (2019年7月16日 16時) (レス) id: 236992ae33 (このIDを非表示/違反報告)
ネコ - 毎回ストーリーにドキドキしちゃってます！www更新頑張ってください！ (2019年7月15日 21時) (レス) id: ab4778a323 (このIDを非表示/違反報告)
あんぴーなっつ(プロフ) - すぷらさん» わっ！コメントありがとうございます！mzmn界隈で見たことのある方から感想いただけて嬉しいです！これからも頑張ります(*´ω`*) (2019年5月27日 14時) (レス) id: 236992ae33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんぴーなっつ x他1人 | 作成日時：2019年3月18日 17時
