王都近郊、不協和音（9-4） ページ30
ぶつぶつと何かを言いながらゾンビのような足取りでどこかへ向かっていく、それこそゾンビみたいにやつれた顔の人たち。
さっきの放送の“ ライブ ”って単語に反応を示していたみたいだけど、何か関係があるのかな？
どーも、九血鬼だおー。
ここは九血犬と言わしめるほどの九覚を発揮して、この人たちの謎を解き明かしてみせよう。
「どうしたんだろ、急に。“ ライブ ”とか言ってたけど」
「その“ ライブ ”会場に行くんじゃないか？」
腕組みをして不安そうに眉を寄せるバケゆかと、足取りのおぼつかない人々の背中を睨みつけるとりなん先生。
「なァ、“ ライブ ”ってことは歌を歌うんだろォ？だったらよ、ﾀﾗﾁｵがいるかもしれねェぞ？」
「そっか、ﾀﾗﾁｵ！！……でも、またズズたちみたいに洗脳されてるんだよね」
頭から電球を飛ばすように閃いた！という顔をしている愛ゴリの一言に、megaちゃんがハッとして目を輝かせたものの、すぐにしょんぼりと項垂れてしまう。
ここまで、多少の例外はありつつも、大抵の奇数メンバーは洗脳され凶暴化している。
それと同じようにチオニキも洗脳されている……まぁ例外はあるかもしれないけど、多分そのはず。
つまり、私たちはチオニキと戦わなくてはならないということ。
megaちゃんはチオニキと仲がいいから戦いたくないのかな……
「でも、俺たちが戦わないとﾀﾗﾁｵはずっと洗脳されたままになるけ」
ぐっと拳を固めたにどみんが、強い意思を持った朱色の瞳でmegaちゃんを見据える。
ん、と小さく煮え切らない返事をしたmegaちゃん。
このなんとも言えない雰囲気にメンバー内の空気も淀んで来たところだった。
「おいっ、お前ら旅人か！？早くこっちへ！！」
一つのビルのような建物の玄関から顔を出した男の人が、やけに焦った顔で私たちを手招いている。
私たちは一瞬顔を見合わせたものの、その人の催促に従うがままに建物の中へと歩を進めた。
＊
「……危ないところだったな」
私たちを建物の中に引き入れて、コンクリート造りの厳重に閉鎖された地下室に押し込められた後、その男の人はふぅとため息をついてそう言った。
「全くもってなにが危なかったのかわからないんだけど……」
私がその疑問っていうか文句を躊躇なく男の人にぶつけると、その人は少し気圧されて、次にまたため息をついた。
「やっぱり旅人か。そうだよな、もうこの街で正気なのは俺たちだけしかいないもんな」
……？一体どうゆうこと？
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あんぴーなっつ(プロフ) - かおりのさん» コメントありがとうございます！琵琶ちゃぷの話はかなり気合入れたので、感動していただけて嬉しいです！閲覧ありがとうございました(*´ω`*) (2019年9月15日 22時) (
レス) id: 236992ae33 (このIDを非表示/違反報告)
かおりの - めっちゃ面白いです!琵琶ちゃぷの所すごい泣けました！全然ゆっくりでいいので更新頑張って下さい！ (2019年9月14日 22時) (レス) id: a7a49677e4 (このIDを非表示/違反報告)
あんぴーなっつ(プロフ) - ネコさん» コメントありがとうございます！楽しく読んでいただけて私も嬉しいです！閲覧ありがとうございました(^ω^) (2019年7月16日 16時) (レス) id: 236992ae33 (このIDを非表示/違反報告)
ネコ - 毎回ストーリーにドキドキしちゃってます！www更新頑張ってください！ (2019年7月15日 21時) (レス) id: ab4778a323 (このIDを非表示/違反報告)
あんぴーなっつ(プロフ) - すぷらさん» わっ！コメントありがとうございます！mzmn界隈で見たことのある方から感想いただけて嬉しいです！これからも頑張ります(*´ω`*) (2019年5月27日 14時) (レス) id: 236992ae33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんぴーなっつ x他1人 | 作成日時：2019年3月18日 17時
