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神域の守り人(5-2) ページ44

《旅の者達……貴方方の魔力、それは単なる〈魔術師〉のそれとは違うとお見受けする。貴方方は〈能力者〉の方々ではないだろうか》

突如として頭の中に送り込まれてきたしわがれた老人の声。
にどみんの〈念話〉と似てるけど、にどみんはいつも首にかけているヘッドホンを装着しないと発動できない。ヘッドホンを首にかけたまんまだし、にどみんの〈能力〉ではない。
あ、どうもバケゆかです。

「そうですが……あなたは一体?」

きょろきょろと周囲を確認しながら、とりなん先生が声に向かって質問を投げかける。
自然とみんなが黙って、声の応答に耳をすませた。

《儂は〈神域の森〉の精霊の長。少し困ったことが起こってしまって……そこで、〈能力者〉である貴方方の力を借りたいのです》

〈神域の森〉……まさに俺たちが向かおうとしていた場所の名前が飛び出て、俺たちは顔を見合わせた。

「具体的には、どのようなことにお困りなのですか?」

再びとりなん先生が、みんなを代表して精霊の長に疑問点を口にした。
うむ、と精霊の長は考え込むような声を漏らした後、意を決したように切り出した。

《その点については、このような形でお話するのは些か無礼でしょう。儂らの方からお迎えに上がります》

精霊の長がそう言い終えると、突然周囲の草木がざわざわと揺れだした。
葉の一枚一枚が意思を持ったように蠢いて森の空気が変わるのがわかった。
戦慄した空気に、五感が敏感なズズなんかは身を強張らせる。
目の前が発光して目がチカチカと眩み、一際大きな風が吹き上げた後、目の前に精霊……よりはノームに近い見た目の老人が現れた。
見ようによっては〈魔術師〉や賢者に見えるその姿を見て、こいろちゃんがごくりと固唾を飲み込む。
その老人は俺たちを見るなり、手に持った木製の杖を地面に置いて、深々とお辞儀をした。

「お初にお目にかかります、〈能力者〉様。これから貴方方を、〈神域の森〉へとお連れしましょう」

ゆったりと両手を広げた老人は、俺たちをぐるりと見渡すと、ボソボソと口元で何かを呟き、再び竜巻のような強烈な風が吹き、視界が白く染まった。





辺りは、さまざまな色合いの緑だった。
老人によって光に包まれた後、次に目を開けたらさっきいた場所とは別の森にいた。
現実世界にもこの異世界にもない植物がそこら中に生えていて、宙には大小様々な光球が浮いている。

「ようこそ、〈神域の森〉へ」

老人ーー精霊の長が、俺らを見て微笑んだ。

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あんぴーなっつ(プロフ) - 空屋さん» コメントありがとうございます!この話のバケゆかさんなら快く守ってくれると思いますよ笑閲覧ありがとうございました! (2019年3月17日 13時) (レス) id: 236992ae33 (このIDを非表示/違反報告)
空屋(プロフ) - この作品ものすごく好きです!バケりんに守られてぇ…! (2019年3月13日 4時) (レス) id: 8e09062377 (このIDを非表示/違反報告)
あんぴーなっつ(プロフ) - もるさん» コメントありがとうございます!お褒めにあずかり光栄です……!あんまりガンガン更新はできないのですが、完結目指して頑張ります! (2019年1月30日 18時) (レス) id: 236992ae33 (このIDを非表示/違反報告)
もる(プロフ) - 作風とか設定がしっかりしてて大好きです!混ぜメンのキャラにどれも合っててどのメンバーも好きになっちゃいます 更新大変だとは思いますが、頑張ってください応援しています(^○^) (2019年1月28日 18時) (レス) id: 14f50223ee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あんぴーなっつ x他1人 | 作成日時:2018年9月16日 20時

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