重なる想いと記憶の残響(4-2) ページ35
完全に姿を現したーー先ほどの音の元凶であろうこいろちゃん。
イベントで着ているようなスモッグではなくて、ぱっと見は魔法使いのような印象を受けるローブに身を包んでいる。
「さーて、どうしましょうかね……」
少し時間が空いたから、多少体調に余裕が出てきた。
さすがに連続でやられたら死ぬと思うけど、やっぱりそこは手加減してくれてんのかね。
それとも連発できない理由があったりとか?ーーいや、今は最善手を考えることが先だ。
ヘッドホンを装着して、みんなの心の声に耳を澄ませる。
《うぇ……きっつ、グロッキーなんですけどぉ!!あのエセ5歳め……》
《頼むから連続できてくれるなよ……クソ、5歳児が》
とりなん先生ととりっぴぃはまだ動けるだろう。
確かなダメージを負ってはいるが、多少の余裕はあるようだ。
《にどみん、聴いてる?俺はまだ、平気。頑張れるよ》
《あ゛ーーきっつぅ……あんな大声よく出せんなぁーこいろちゃんエグい》
バケゆかもしんどそうだが、〈障壁〉は使える。
megaちゃんも同じような状況。
《どうすればこいろちゃんオトせるかわかんねぇ……にどみん、頼むぜ!!》
愛ゴリはこいろちゃんから一番距離が離れていたからか、この中では一番余裕がある方かもしれない。
それなのにうずくまったまま動かないズズ。
《……………》
完全にオチてるのか、心の声は全く聞こえなかった。
そして、目の前には表情のない冷たい目でこちらを睨む五歳児。
この状況を、どう打開しようか。
ヘッドホンに手を当てて、考える。
まずはこれ以上ダメージを受けないための予防だ。
《バケゆか!〈障壁〉張れるか?》
《わかった!》
「〈絶縁障壁〉!」
すぐに両手をかざし、俺たちとこいろちゃんを遮るように〈障壁〉を張るバケゆか。
これで第二撃は防げるだろう。
しかし目先の危機を避けたところで状況は好転しない。
すぐに脳みそをフル回転させ、今ある戦力と知力を振り絞る。
俺らのチームでの主戦闘員はスピードに特化したアタッカーズズ、鈍足だが攻撃力に特化した愛ゴリ、平均的な能力を持つバランサーとりなん先生。
その内ズズが完全にダウンしてしまっている。
megaちゃんに頼めば回復してもらえるけど、復活してもすぐにまたやられるかもしれない。
それ以前に見た目は5歳児のこいろちゃんをアタッカーで傷つける?
ダメだ。怪我を負わせることはできない。
なら必然的に愛ゴリととりなん先生を戦力に組み込めない。
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あんぴーなっつ(プロフ) - 空屋さん» コメントありがとうございます!この話のバケゆかさんなら快く守ってくれると思いますよ笑閲覧ありがとうございました! (2019年3月17日 13時) (レス) id: 236992ae33 (このIDを非表示/違反報告)
空屋(プロフ) - この作品ものすごく好きです!バケりんに守られてぇ…! (2019年3月13日 4時) (レス) id: 8e09062377 (このIDを非表示/違反報告)
あんぴーなっつ(プロフ) - もるさん» コメントありがとうございます!お褒めにあずかり光栄です……!あんまりガンガン更新はできないのですが、完結目指して頑張ります! (2019年1月30日 18時) (レス) id: 236992ae33 (このIDを非表示/違反報告)
もる(プロフ) - 作風とか設定がしっかりしてて大好きです!混ぜメンのキャラにどれも合っててどのメンバーも好きになっちゃいます 更新大変だとは思いますが、頑張ってください応援しています(^○^) (2019年1月28日 18時) (レス) id: 14f50223ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あんぴーなっつ x他1人 | 作成日時:2018年9月16日 20時