重なる想いと記憶の残響(4-1) ページ34
4話は全てにどみさん視点になります。
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そのときは突然訪れた。
俺たちが〈ハウンド町〉で手に入れた情報から、次に探すべき〈能力者〉はこいろ(5)であると断定した。
こいろちゃんの妹であるつきよさんの情報提供も相まって、こいろちゃんがいるであろう場所の目星がつき、その森を捜索していたときのこと。
がさり、と落ち葉を踏む小さな音がして、音に敏感な俺とズズはそちらを警戒したときだ。
《ア゛ーーーーーーーーーーーー!!!!》
耳元で爆弾が破裂するように空気が膨張し、それが容赦なく襲いかかる爆音だということに気づいた。
思わず耳を塞ぎ込んでもあまり意味をなさないほどに、その衝撃は直接脳を揺らす。
途方も無い超音波が森全体を揺らし、空気を破裂させ、地面を割り、木々をなぎ倒す。
もはや立っていることすらままならないほどの超音波になんとか耐えきり、超音波が鳴り止んだ瞬間にくらりと目眩がする。
キーンという金属音が未だに耳から離れずに、じくじくと痛みと吐き気が増大する。
「はぁ……ッ、な……んだ、これッ!」
「あ、頭……おかしく、なるッ……」
耳を塞いだまま苦しみに喘ぐとりなん先生ととりっぴぃ。
2人も俺とそう変わらないダメージらしい。
「きっつ……」
「鼓膜ッ……破れる、かと……思った!!」
バケゆかは両手を膝についたまま大きく肩を上下させ、倒れこむのをなんとか耐えているという感じだ。
megaちゃんは過剰に笑っているが、顔は青白いし、足がガタガタと震えている。
「うひィ……ヤベ、パネェぞこれェ……死ぬわ……」
「……………」
頭が痛むのか左手で頭を包むように覆いながら、付近の木に右手を付いて支えにしている愛ゴリ。
一方、耳を塞いだ前傾姿勢のまま一言も喋らずに俯くズズ。
「ズズ?」
こんなとき、真っ先に喋り出しそうなマシンガントーク野郎が全くの無反応なのはいささか不安である。
俺がズズを呼んだとき、だった。
「ぅあ、………あぅ……、ぐ、あ……」
耳を抑えたままにゆっくりと地面に膝をつき、そして頭から崩れ落ちて行く。
胎児のような格好で耳を抑えたまま小さく痙攣していた。
ようやくズズが倒れたという認識に至ったメンバーが口々にズズを呼びかける。
「まじけ……一発KOかよ」
まずい。かなりまずい。
ガサリと背の高い草をかき分けて現れた、目的の人物に俺は苦笑いが溢れるのがわかった。
「手加減してくれよ、こいろちゃん!」
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あんぴーなっつ(プロフ) - 空屋さん» コメントありがとうございます!この話のバケゆかさんなら快く守ってくれると思いますよ笑閲覧ありがとうございました! (2019年3月17日 13時) (レス) id: 236992ae33 (このIDを非表示/違反報告)
空屋(プロフ) - この作品ものすごく好きです!バケりんに守られてぇ…! (2019年3月13日 4時) (レス) id: 8e09062377 (このIDを非表示/違反報告)
あんぴーなっつ(プロフ) - もるさん» コメントありがとうございます!お褒めにあずかり光栄です……!あんまりガンガン更新はできないのですが、完結目指して頑張ります! (2019年1月30日 18時) (レス) id: 236992ae33 (このIDを非表示/違反報告)
もる(プロフ) - 作風とか設定がしっかりしてて大好きです!混ぜメンのキャラにどれも合っててどのメンバーも好きになっちゃいます 更新大変だとは思いますが、頑張ってください応援しています(^○^) (2019年1月28日 18時) (レス) id: 14f50223ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あんぴーなっつ x他1人 | 作成日時:2018年9月16日 20時