【mzmn】俺らの世界救済RPG

空を回る、爪と橙（2-7） ページ22

「あっーー！！そっか、megaちゃんの〈治癒〉は怪我や病気だけじゃなくて、呪いとか魔法的なバッドステータスにも効くんだ！！」

「あ゛ーーほんとだぁーー！！あたし治せるかもーー！！」

とりなん先生が冷静な解決法に、ラスティレ○クで培った推理力を発揮するとりっぴぃと、それを聞いて騒ぐmegaちゃん。
いや、megaちゃんが思いつくところでしょ……

「んじゃ、やってみっか！！……何がいいかな？拝啓ドッペルゲンガーとかどう？踊ってたし！」

「なんでもいいよ」

ちょっと呆れ顔のとりなん先生。
megaちゃんは腰のベルトにぶら下げているとりっぴぃお手製簡易マイクを構えて、高らかに歌いだす。

「〜♪」

megaちゃんの周囲から、光る音符が飛び出して、瞬きながら俺たちに降り注いでいく。
その音符が肌に触れる瞬間にぱっと溶けて傷を癒していく。

「ぐぅ！？うが、がぅぅ、」

megaちゃんが歌いだすと同時に悲鳴のような声を上げて、悶え出したズズ。
慌てて二神が抑えつけるも、それでもズズは苦しんで止まらない。

それでもmegaちゃんは歌い続ける。

「があああああああ！！！」

拝啓ドッペルゲンガーを歌い終えた瞬間に、
ズズが一際大きく吠えた後、見開いた目の虹彩が、赤からオレンジ色に変わった。

「はぁ……どう？ズズ戻った？」

若干息を切らしながらとりっぴぃと愛の戦士に訊くmegaちゃん。
ズズはしばらく目をぱちぱちと瞬かせていたが、はっとしたようにきょろきょろと周囲を見回して、急に大声を上げる。

「あーー！？なんでみんなここにいんの！？てかなんで俺縛られてんの！？」

おっ！？
このなんとも言えない馬鹿そうな雰囲気、これはこれは……

「よかった〜ザザ戻ったけ〜！！」

「ジジじゃなかった？」

「いや、ゼゼだ」

「ゾッゾ〜」

「いやズズだよ！！」

上から俺、バケゆか、とりなん先生、とりっぴぃ。
流れるようなボケとツッコミを皮切りに、みんなでワイワイと騒ぎだす。


それからズズと一緒に森の中を歩き、村へ戻る途中でズズにいろいろと質問ぜめをした。

話を聞くと、ズズはこの世界へ飛ばされ、旅商人を襲ったり、積荷を強奪した記憶は一切なく、むしろ「そんなことしてたの！？」と青ざめていた。
そこから推測するに、おそらくズズはこの世界へ来た瞬間に何者かに洗脳でもされていたのかも。

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