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空を回る、爪と橙(2-6) ページ21

「ま、とりあえず暴れないように縛ろうぜ!ギッチギチに!!」

ぶんぶんと手を振りながらmegaちゃんが笑う。なんで楽しそうなんだ。
まあズズはドM(公認)だから仕方ないか。

「縄いるー?ほれ、さっきのより強くしたよ」

「さんきゅー」

後方から二本のロープが捻られている縄を抱えたとりっぴぃがやってくる。
その縄を受け取った愛ゴリは気絶したズズが掛かっている網を引きちぎり、手足を縄で縛り付ける。

「やったか?」

「みんなお疲れ様。にどみの作戦、すごかった」

前者はとりなん先生だ。左腕をズズにやられたようで、右手で庇うようにしながらズズを覗き込む。
後者はバケゆか。障壁を解いて、俺に賞賛の声を掛けてくれる。なんか照れくさいな。

「どーする?テイクアウトする?」

「気絶したからって正気に戻ったとは限らないだろ。今村に戻すのは危険だ」

「そっかー」

とりなん先生が暴走気味のmegaちゃんを制して、ぐったりとうな垂れたズズの元に屈み込む。

「起こして様子を見るか」

「俺らが気絶させたのに!」

やっぱりとりなん先生は辛口だった、ととりっぴぃが呟く。
先生は迷わずズズの肩を掴んでガクガクと揺すると、しばらくされるがままだったズズがはっと目を覚ました。

「ぐがぁ!!」

俺らを視認するなり、すぐさま牙を剥いたズズは縛られていることに気づいて焦ったようにもがく。
あー、これ戻ってないけ。
落ち着けどうどうと連呼しながらズズを抑える二神。

「そういえばさ、にどみさんさっきズズの心の声が聞こえないとか言ってなかった?」

ふと、バケゆかが思い出したように問いかける。

「確かに、なんかに妨害されてるみたいな感じで……」

「魔法的な!?」

さっきからテンションの高いmegaちゃんがぴょんぴょんと跳ねながら戦闘中の言葉を繰り返す。
もう一度確認のためにヘッドホンを装着して、ズズの心の声に耳を澄ませる。
……が、やっぱりテレビの砂嵐のような雑音しか聞こえない。

「……もし、ズズが俺らのことを覚えてないのが魔法的な何かだったとすれば、megaちゃんの〈能力〉でなんとか出来るんじゃないか?」

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あんぴーなっつ(プロフ) - 空屋さん» コメントありがとうございます!この話のバケゆかさんなら快く守ってくれると思いますよ笑閲覧ありがとうございました! (2019年3月17日 13時) (レス) id: 236992ae33 (このIDを非表示/違反報告)
空屋(プロフ) - この作品ものすごく好きです!バケりんに守られてぇ…! (2019年3月13日 4時) (レス) id: 8e09062377 (このIDを非表示/違反報告)
あんぴーなっつ(プロフ) - もるさん» コメントありがとうございます!お褒めにあずかり光栄です……!あんまりガンガン更新はできないのですが、完結目指して頑張ります! (2019年1月30日 18時) (レス) id: 236992ae33 (このIDを非表示/違反報告)
もる(プロフ) - 作風とか設定がしっかりしてて大好きです!混ぜメンのキャラにどれも合っててどのメンバーも好きになっちゃいます 更新大変だとは思いますが、頑張ってください応援しています(^○^) (2019年1月28日 18時) (レス) id: 14f50223ee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あんぴーなっつ x他1人 | 作成日時:2018年9月16日 20時

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