日向と木陰(新婚ver.)

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「結婚パーティー？何それ？」

カフェに入って温かい紅茶を飲んで落ち着いてきた慧に前から思っていた事を相談した。

「俺たち結婚式も披露宴もしてないじゃない？けどさ、林はもちろんだけど深見さんとか田辺さんとか店長とかさ、今まで俺たちを見守ってくれた人達にお礼をしたいなと思ってて。」
そこまで言ってからコーヒーをひと口飲んで、
「俺たち主催で結婚式の2次会的なのに招待するのはどうかなと思ってるんだ。」
俺がそう言うと慧が驚いた顔をしながらも、
「…………したい。え、でも、それって結局俺が1番嬉しいやつじゃない？俺たちが費用を払うとしても皆んなにゆーととの事、お祝いして貰うって事だよね？………そんなの、想像してなかった……。」
やっぱり、というか何というか、涙目になる慧。

「お店もね、一応目星はついてるんだ。ほら、覚えてるかな？一度クリスマスで行ったバー、あるでしょ？そこのマスターがそういう機会があれば是非って言ってくれて名刺もくれたんだ。雰囲気も良かったし、どうかな？」
慧の涙が浮かんだ目尻を親指で拭いながらそう言うと、
「………うん、する！皆んなのおかげでゆーとと幸せになったところを見てもらう……っ！！」
拭っても拭っても溢れる涙に俺がそれでも何度でも拭うよと、素直な慧に感動して泣きたいのを我慢して思った。

俺こそ、見てもらいたいんだ。
慧と幸せになった姿を。

けど、ほどほどにしなきゃまたあいつにからかわれるなと林の顔を思い浮かべて表情を引き締める。
けど直ぐに滅多に見られない林の笑った顔がなぜかぽんと浮かんできて笑ってしまった。

うん、知ってる。
あいつが1番喜んでくれてるって。

まだ涙ぐんでいる慧を見ながらこりゃ号泣案件だぞと、今から結婚パーティーの事を考えてふぅ、と俺が嬉しいため息をついた。

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