日向と木陰 (大学生Ver.)12

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これからどうするか改めて決めるのに、映画はどうかとさっき提案した案をもう一度言うと、
「今日はずっと話してたいんだ。……言っただろ？ゆーとの事、独占したいって。………映画より、俺の事見てて欲しいかなって。」
慧が笑いながら、
「わがままだけどいいんだ。……だって俺の彼氏、優しいもん……。」

えへへと恥ずかしそうに笑って繋いだ手にきゅっと力を込めてくる。


……ふわぁ、可愛いなぁ……と少し意識が遠のいていると、
「あ！ゆーと、見て見て！なんかさ、地下のショッピングモールで大きなツリーに雪を降らせるみたいだよ！」
今出たばかりの喫茶店から少し離れた所にある、花屋さんの入り口のガラス戸に貼られていた小さなポスターを慧が指差した。

俺が意識を戻しながら、
「……本当だ。時間制みたいだね。次は17時半からか。……よし、見に行こう。写真とってあげるね。」
冗談を言うと、
「ツリーのね！俺のはやだよ。だって俺……。」
やっぱり嫌がる慧をはいはいとなだめながら、道路と反対側の危なくない方へ押しやってまた手を繋ぐ。
「時間ないよ？急ごう。」
そして繋いだ手を優しく引っ張って歩き出す。

「……ゆーとー……。」
すると少し前を歩く俺に慧が弱々しく名前を呼んでくるから、
「？何？」
振り返って聞き返すと慧が涙目になっている。

「なっ……本当に何があったの！？」
「………エスコート、しなくていいよ。」
びっくりする俺に慧がまた弱々しくそう言った。

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