日向と木陰 (大学生Ver.)11

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そんな慧に負けまいと耳元に唇を寄せて、
「……じゃあさ、この間のサラリーマン呑み会の後は俺、思わずシャツとネクタイ外しちゃったけど……一緒に暮らすんだからそんな俺に慣れるために、この後のそういう時は、どっちも着たままでいるね……？」

甘くなれー、甘くなれーと念じながら口説くと慧がほわほわとした夢見心地な顔で、

「うん………願ったり叶ったりです………。」


ね、願ったり叶ったり！！？？
……違う、それは甘くも酸っぱくもなく妖しいだけじゃっ……！


なんか方向性がおかしな事になってきてると俺がびびっていると慧が、
「……楽しみ………あー、なんか待ちきれない！ゆーと、車まで走ろう！」
繋いだ手を引っ張って走り出す慧と、引っ張られる俺。

パッと見、青春って感じの爽やかな2人だけど内容が全然爽やかじゃない。



元気になって良かった……それだけははっきりと言えた。
けど、他に関しては不安しかないけれど……。

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