日向と木陰 (大学生Ver.)11

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結局なんであんな電話をかけてきたかっていうと、遅番で同じシフトに入っている慧と林がバイト上がりに俺を誘って、3人で呑みに行こうという話になったからだった。


何で急に……と思うけどまぁ慧に会えるからいいかと、待ち合わせ場所である居酒屋の近くのコンビニ前に着いたけれどまだ2人はいなかった。

暇つぶしにコンビニの中へ入って、ペットボトルの水を買ってから店の外が見える雑誌のコーナーに何が並んであるか見ていると、ふと視線を感じた。


顔を上げて外を見ると慧が立っている。


思わず顔が綻ぶ俺に、慧も顔を綻ばせて小さく手を振ってくれた。


何度会えたって嬉しい。


すぐにコンビニの外に出ると入り口まで来てくれていた慧に、
「どうしたの？急に。会えて嬉しいけど。……それに林は？一緒にカフェから来たんでしょ？」
思った事を一気に全部言った。

そうなんだ、慧と一緒にバイトを終えた筈の林の姿がどこにも見えないんだ。

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