日向と木陰 (大学生Ver.)11

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それから穏やかな日々は続き、でもゴールデンウィーク明け位から少しずつ周りも動いていっているようだった。

俺は周りにあまり流され過ぎて変にならないように、コツコツとでもいいから頑張っていこうとしていた。


そんなぼちぼち梅雨も始まりそうな頃。

バイトのシフトが一緒だった慧がロッカーで俺より先に着替え終えて、
「俺の学校でも色々だよ。必死になってる人も、のーんびりしてる人もいるし。……ていうか背中、かっこいい……。」
まだ着替えている俺の背中を眺めながらうっとりとした声で言う。

俺が苦笑いしながら振り向いてちゅっとキスをしてから、
「可愛い事言わないで？キスしたくなるから。今から仕事なんだから、いい子にしててね。」
また前を向いて着替え始める。

静かになった慧によしよし、と最後にエプロンの紐を結んで、
「お待たせ。行こうか？」
振り向くと、眉根を寄せてすごく複雑な顔をする慧がいた。

「どうしたの、急に！？さっきまで元気だったのに……。」
心配する俺がそう聞くと、今度は悲しそうな顔をして俺の目を見て慧が、
「………何も可愛い事が思いつかなかった……キスして欲しかったのに……。」
しょんぼりとした声でそんな事を言う。


……ダメだダメだダメだダメだっ！！！

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