(4) ページ4
色々やられているとさらに怪しい手つきでとぷとぷとビールを注いでから、
「どうぞ………なーんて、おれがのむの〜!」
俺の手ごと引き寄せてグラスを傾けて慧がキューっと呑み干した。
びっくりして、
「……林、何杯目!?慧は何杯呑んだ??」
「その小さなコップに今で三杯。大丈夫だろ、それくらい。」
林に問い詰めるとサラッと答えるから、
「増えてるよ、前より!」
憤る俺に、
「………ゆーと……いつもより、ふわふわする………。」
慧が目を閉じて体を少しゆらゆらするから、
「大丈夫!?気持ち悪くない??」
心配でたまらないと俺が聞くと、慧がとつとつと話し始めた。
「………おれね、このばいとがすき。はやしが、ふかみさんが、たなべさんがすき。みんなやさしくて……うぃっく……だからね、ばらばらになっても、おれはずっとみんながすき……そいでね、ゆーとがね、いちばんすきなの…………。」
そんな慧を優しく抱きしめて、
「少し寝て?膝貸すから。」
そう言うと抵抗せずにパタンとスイッチが切れたみたいに俺の膝に頭を乗せてすやすやと寝息を立て始める。
「……可愛いね。俺、中島くんも伊野尾くんも林くんも好きだから寂しくなるなぁ。けど……社会人になるんだからそうも言ってられないね。」
田辺さんが眠る慧に優しい視線を向けてそう言ってから、
「あ、もちろん深見さんもね。」
追加みたいに言うから皆んなで笑った。
寝ている筈の慧も少し微笑んでるみたいだった。
送別会と復帰を祝う会が終わって皆んなで表に出ると寒くて。
「また、皆んなで集まろうね。」
深見さんの言葉が白い息になって宙に舞う。
全員同じ思いだった。
俺に肩を抱かれて半分眠っている慧も多分。
楽しくて寂しくて、切ない夜だった。
34人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
すみるく(プロフ) - けいままさん» 甘い2人をお届けできたみたいで嬉しいですー!けいままさんにまた甘いお話を読んでもらえる様に頑張りますっ…! (2021年9月17日 19時) (レス) id: bb46d11d25 (このIDを非表示/違反報告)
けいまま(プロフ) - 甘かった!ベビーカステラより甘かった!!教会でプレプロポーズ!!ゆーとイケメンが過ぎる…白パーカーの慧は可愛いが過ぎる…ごちそうさまです!! (2021年9月16日 23時) (レス) id: bebbe68641 (このIDを非表示/違反報告)
すみるく(プロフ) - manoさん» manoさん、わざわざありがとうございますー!なおってよかった……(泣)ホッとしました。またお話上がった時はよろしくお願いします! (2021年9月16日 7時) (レス) id: bb46d11d25 (このIDを非表示/違反報告)
mano(プロフ) - 空白ページがとびとびであって、あれ?何か壊れた?って思ってたんですよ。なおってますよ〜、よかった!! (2021年9月16日 4時) (レス) id: e0a2f6970e (このIDを非表示/違反報告)
すみるく(プロフ) - ちぃちゃんさん» ちぃちゃんさん、有難うございます!高校の頃からの2人の成長を見て頂いていて感激です!変に更新早いので何もお気になさらず、お話を読んでコメント頂けるだけでものすごく嬉しいので……。これからもよろしくお願いします! (2021年9月14日 0時) (レス) id: bb46d11d25 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:すみるく | 作成日時:2021年9月11日 0時