日向と木陰 (大学生Ver.)8

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かっこ悪い……と慧から目を逸らすと、
「………良かった、まだ可愛かった。」
そんな言葉が聞こえてきて顔をあげると、慧が嬉しそうに笑っていた。

俺がまた何も言えずにいると、
「………運転するゆーとは本当にかっこよくてさ。大人っぽくて、もう俺どうすればいいのって……。ゆーと、俺の事、恋に落としすぎ！何回落とせば気が済むんだよ！…………なんて。」

慧が頬を赤くしながら、
「かっこいいゆーとも、大人なゆーとも大好きだけど、なんか置いてかれたみたいにもたまになるから……可愛いゆーとが見れて嬉しかったの！」
そう言って、それからにこーっと全開の笑顔で、

「俺、ゆーとの全部が好き！」

なんて言った。


俺の指を掴んだ慧の指を、もう片方の指で包み込んでそこに額を当てて、
「…………別れたくない。絶対に慧を離したくないんだ。」
声が、少し震えていたかもな。
でもそんなかっこ悪い俺も慧は受け止めてくれるって知ってるから。

慧が俺の額に自分の額をこつっと当てて、
「別れないし、離れない。………ね、何か乗りに行こうよ。お化け屋敷、とか？」
そんな事を言い出す。

俺が慧の手をとったまま一緒に立ち上がって、
「それ以外で。」
笑って言うと、
「じゃあお化け屋敷で。」
にっこり笑う意地悪な慧。
「………慧、俺が結構怖がりな事知ってるくせに……。」
修学旅行でバレてるはずだと真顔になる俺に、
「知ってる。俺は結構平気。だから怖がりなゆーとを受け止めるよ？……中島くん、伊野尾さんを抱きしめ放題。どう？」
慧の甘すぎるお誘い。
「……俺、めっちゃ怖がりです！伊野尾さん、よろしくお願いします！！」

一気に意見を翻して、頭を下げる俺がいた。

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