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バイトを終えて約束していたファミレスで落ち合って事の経緯を話す。
横入れせずに全部を聞いた林が、
「時期尚早だ。中島は動くな。」
きっぱりはっきりそう言った。
俺が何で、と反論しようとすると、
「伊野尾は小悪魔みたいだけど変な所が真っ白だから親の正論から抜け出せなくなってる。それで中島は真っ白で真っさらだからさらに伊野尾の親の正論にがんじがらめになってる。」
俺と慧は何も言えない。
「………親の言う事も大事だ。でもそれはある側面についてだけだよ、親としての立場の。伊野尾の19歳の人間としての側面は見てない。恋して、青春して、無駄だと思える事がどれだけ人生豊かにするか忘れてるんだよ。……でもそれは伊野尾の事が大事だからだ。」
慧が静かに頷くと林が、
「親の気持ち大事にする伊野尾は優しいな。けど、もっと自分の気持ちを言っていいんだ。勉強と将来と同じ位大事な奴がいて、そいつに会えると頑張れるからバイトしたいって。長い目で見てくれって。」
そう言ってすごく優しく笑って、
「伊野尾、頑張れるだろ?中島の事愛してるもんな。……ちなみに俺も愛してるぞ。」
最後は冗談みたくする林に慧が笑って、
「うん、頑張る。」
そう言った。
林が俺を見て、
「真っ白で真っさらで真面目でピュアでそういう所を尊敬するけど、お前、まだ両親への挨拶は早いって。外堀埋める事を覚えてくれ。じゃないと伊野尾が緊張し過ぎて可哀想だろ。」
………慧と会いづらくなる事が怖すぎて突っ走って、逆に1番思い切った事をしようとしてたんだな。
やっと目が覚めたみたいになった俺。
でも慧は、
「林、そりゃ緊張したけど嬉しかったんだよ?ゆーとの本気を感じてさ。」
可愛く反論するから、
「あーもー、ゆーと大好き伊野尾がなんやかんや大好きな俺は来世もこの立ち位置な気がして仕方ねぇ!」
鬱陶しそうに言う林に、
「……いてね、俺とゆーとの側に。林にいて欲しい。大好きだよ。」
慧がとてつもなく情感たっぷりに林に言う。
すると、
「俺、今度彼女の許可とるから伊野尾も中島の許可とって2人で公認デートしような。じゃ、帰るわ。伊野尾、頑張れよ。」
なんて言って先に帰る。
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作者名:すみるく | 作成日時:2021年8月14日 0時