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それからはとりあえずテストが終わるまではお互い勉強に集中しようという事になった。
電話やラインは毎日の様にするけれど、また会えない日々が続く。
慧がバイトを辞めてしまうかもしれないという事を、俺は誰にも相談できなかった。
林にも。
なぜならその事を考えただけでも辛くて、口に出す事が出来なかったからだ。
早くテストが終わって欲しい。
そしてちゃんと2人で向き合って、無理かもしれないけど辞めずに済む方法を考えたい。
そんな悩みを抱えた中でテスト期間が始まって終わった。
悩んでた割には結構出来た方なんじゃないかなとほっとしながらバイトに向かう。
今日は林と深見さんと一緒で、明日は俺と慧がシフトに入っていた
林が少しだけ被った休憩中に、
「やれやれ、やっとテスト終わったな。中島の所もだろ?」
「うん。」
と答えると、
「明日は久しぶりに伊野尾と一緒で良かったな。プライベートでも会ってなかったんだろ?」
さらにそんな事を聞かれて、
「………うん。」
今度は少し小さな声で答えてしまった。
林が、
「テスト終わるまでは口出さねぇようにしてたけど、もしかしてまた伊野尾と揉めてるのか?元気ないだろ、ずっと。」
気を遣ってくれるから、
「ううん、喧嘩なんかしてないよ。大丈夫だから。」
何とか笑ってそう言って、
「俺、休憩終わりだから。」
とまたホールに戻った。
何か言いたげな林を残して。
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作者名:すみるく | 作成日時:2021年8月14日 0時