日向と木陰 (大学生Ver.)6 (ページ16)

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楽しいバーベキューとデートが終わってしばらくしてからはまた大学のテストがあるのでゆっくりとは会えない日々が続いた。

慧は林のおかげもあって殆どバイトに入らずに勉強を頑張っているみたいで、俺は相変わらず週4くらいでバイトに入っているけど慧とデート出来ない分を勉強に当てていた。

お互い頑張ってる。
それでいい。けど。

「………もう10日、慧に会えてない。」
はぁ、とバイトの暇な時間帯にため息をつく俺に林が、
「中島、高3で伊野尾と違うクラスになった時みたいだな。お前っていい意味で成長しないんだな。」
なんて言ってくるから、
「いい意味で成長しないって何だよ？からかってるの？」
慧に会えなくて鬱憤が溜まる俺が少し声を荒げると、
「いや、いつまでもピュアな国宝級のイケメンだって事。」

………だからピュアじゃないって。

「林の目に俺がそう映ってるならありがたいけど、そうじゃないから。この間のバーベキューの後なんて鬼かってくらいに慧を……何でもないっ！」
慌てて口をつぐむ。

「……中島、頼む、教えてくれ、その先を！」
珍しく一生懸命な林に、
「やだよ。さ、仕事しようっと。」
そう言って逃れる様に表をほうきで掃除しに行く。