日向と木陰 4

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それはもし慧から恋人になりたいと言われた後、俺が男としてしっかり受け止めて恋人関係をリード出来るのかという問題だ。
せっかく恋人になれたのに慧の可愛さにやられてグダグダだわ、恋愛スキルが低いわでは慧に呆れられて嫌われて捨てられるかもしれない。

……そんな事態だけは何としても避けなければ！

とりあえずしなきゃいけない事は俺を好きだという慧に今のうちに慣れておいて、いざ恋人になった時にスムーズに恋愛関係を発展出来る様に準備する事と、恋愛スキルは………まぁ、おいおい考えていこう。


随分長い事考え事をしていたけれど、現実に戻って慧の顔を見ると頬杖をついたまま寝ていた。

こういう所は通常運転だなぁ。
本当に寝顔可愛いなと思っているとチャイムが鳴ったので、
「慧、起きて。授業始まるよ？」
声をかけると慧はふにふにと口を動かしながら目を少し開けて、
「………眠い……。」
「ほら、頑張って起きて？」
俺が励ますと伸びをして何とか起きた。
相変わらず猫っぽいよなぁとほのぼのしながら前を向いて教科書とノートを用意していると、後ろから慧がつんつんと指で背中をつついてくる。
「何？」
振り向くと、
「………ちょっとゆーとの顔、見たくなっただけー。」
えへへと照れて笑う慧に一瞬固まってから何とか笑い返して、そう、と言って前を向く。


………何、今の！？
『ちょっとゆーとの顔、見たくなっただけ』…だって！！
何それ、ありえなくない？？
可愛い過ぎるんですけど！！！


今この時点で慧の可愛さに爆死しそうになってるのに、俺ってば本当に大丈夫なのかな……。
そんな不安を抱きながらひとり、ため息をついた。……ちょっとにやにやもしながら。

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