日向と木陰 3

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新幹線が駅に着いて学校までは戻らずにここで解散になる。

最後にクラス毎に集まって、担任の先生からの簡単な総括と、明日は遅刻しない様にとの注意があってからついに修学旅行が終わった。

クラスの皆んなに挨拶してから2人きりになって、お互いが家に帰るために乗る電車の乗り場まで歩く。
「あーあ、終わっちゃったね。」
慧が残念そうに呟く。
「本当だね。ずっと慧と一緒にいれて楽しかったなぁ。」
俺がそう言うと、
「…………うん、色々あったもんね。」
横顔が満足気で良かったなと思う。

あともう少しで別れるという所で慧が、
「………俺、頑張るから。胸を張って怖がらずにゆーとに飛び込んでいける様に、成長するから……。」
真剣な顔でそう言ってから、
「今より大人になるから。………必ず待っててね？」
最後は強い意志を感じられる瞳ではっきりと言ってくれた。

……結構なプレッシャー来たぞ！
大人になろうとする慧を大人にできる様に大人にならなければ………！

前までだったら嬉しいだけの言葉だったのにな、と内心は動揺しながらも隠して笑顔で、
「待ってる。」
と言った。

慧は笑って、じゃあねと俺と別れて階段を登っていった。

その後ろ姿を見ながら、少しづつでも確実に進んでる俺たちの恋がどうか上手くいきますように……と祈った。


さぁどんと来い、大人への道！
中島ゆうと、やる気と慧を想う気持ちだけは負けない！

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