日向と木陰 3

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そうやって遊んでいたけれど、疲れたしもう寝ようと皆んなそれぞれ布団に入る。
3日目という事で早々にいびきや寝息が聞こえてきた。

しばらくして右隣の布団にいる慧がボソボソと、
「……ゆーと、腕痛くない？」
と聞いてくるから、怪我をした左肩を上にして横を向いているから大丈夫だと答える。
慧がホッとした様に体を俺の方に向けて右手を布団の中に入れてくるから、痛くない右手で受け止めて手を繋ぐ。

慧が小さな声でこう言った。
「………ゆーとの事、世界で一番大切な気になる人って言ってたけど………俺、多分もうゆーとに恋に落ちちゃってるんじゃないかって思うんだ。」


思わず息を呑む。
変な話だけどびっくりを通り越すと声も出ない。


「でもね、こんな風に手を繋いだりさっきみたいに背中から抱きしめられたりすると嬉しいんだけど、どきどきし過ぎて変になってすごく怖くなるんだ。」
慧は少し目を伏せていて、こんな時なのに長い睫毛が綺麗だなと思った。
「………恋人になって受け止めきれるか自信なくて。だってまだ恋人でもないのにおかしくなるくらいゆーとにときめいてるんだもん。………恋愛に慣れてなくて……子供でごめん。」
そう言ってから慧が、繋いだままの手を布団から出して自分の方に引き寄せる。
少し躊躇ってから目を閉じて俺の指にちゅっ……とキスをした。
そっと目を開けて、
「わがままだけど、恋人になるの、もう少し待ってくれる……？」

慧を見ながら、どうして俺はこの子をこんなにも愛おしいと思うんだろうと不思議な気持ちになった。
次から次へと好きだという気持ちが溢れて止まらなくなる。

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